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憤慨6
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side 高槻
メールが返ってこない。
もう10時過ぎているし、いつもなら神田は部屋にいる時間だ。
メールに気づいていないのだろうか。
もしかしたら、電源が切れているのかもしれない。
とりあえず、メール攻撃をやめて、電話してみることにした。
『プルルルル………』
あ、かかった。
電源は切れてないみたい。一応、着拒もされてないみたいだ。
8コール目、電話に出てくれない。
9、10、11、12………………
『留守番電話サービスにお繋ぎします』
出ない。
こうなったら意地でもかけ続けてやろう。
『プルルルル…』
『プルルルル…』
『プルル…ッ』
「もしもし!?尊く『ブチッ…ツー…ツー……』…切られた。」
その後、かけ続けるも、電源を落とされてしまい、成す術なし…。
あーほんと、なにしたんだ俺は。
確か、あの時、尊くんは俺に抱きついてきていた。
もしかして、俺がゲームに夢中だった間、寂しかった…とか。
いや、でも…ゲームに夢中なんて日常茶飯事だし…
あ、俺があんなちゃんに好き~とか言ってたから妬いた…?
それも、日常茶飯事…だなあ………
う〜〜〜〜〜ん………………………………
電話に出ないくらいだし、部屋に行っても入れてくれなさそうだ。
留守電にメッセージ入れておこう………
『もしもし、高槻、です…えっと、言い訳じゃないけど、あの時イヤホンしてて…音聞こえてなくて、だから…尊くんが何に怒ってるのか、俺、全然わからないんだ…ごめん…でも俺、尊と別れるつもりないし、あ、尊くんがそのつもりだったらしょうがないのかもしれないけど…と、とりあえず話したい、です、明日放課後待ってるから……』
おかしいな…好きだ!愛してる!って言うつもりだったのに、今日は喉につっかえて、言葉が出てこなかった。
想いを伝えるって難しいな…
気持ちを言葉にするのってこんなに気力がいるんだっけ……
留守電を聞いてくれることを祈って、めずらしくゲームには目もくれず、俺はベッドに入った。
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