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「宮下くんがここまで話してくれたから僕も少し話そうか」
と紀伊が言った
紀伊の話には興味があったので頷いて話すのを促した
「僕の好きな人は、8組の佐野って人なんだけどね」
俺は2組なので8組の面子はまるで分からなかった
だけどとりあえず名前は覚えておこうと思った
「でも佐野はね、誰かに殺されたいんだ」
「...?」
殺されたい?なんてまた物騒なやつを好きになったんだ紀伊は 。
「自分を殺す気がないなら近寄るななんて言われたけど今でも僕は彼にしつこくつきまとってるんだけどね」
「...なんで好きになった、の?」
まだ俺は紀伊に対して人見知りしている為今でもぎこちない
「...なんでだろうね。
近づくたびにもっと、それ以上の関係になりたいって思っちゃうんだ
ひどいときは殺したいとも思ってしまう
それでその死体も全て僕のものにしたい
首だけは僕の隣に置いておきたい」
紀伊の落ち着いた声色とは裏腹に、歪んだ雰囲気にだんだん飲み込まれていった
8組の佐野、か 。
紀伊も佐野という人も病んでいる
俺には到底わからない愛だがそれも恋愛のひとつなのだ
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