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とりあえず夕飯を食べることにし、やっとソファから脱出した
「そういえばさ」
「ん?」
玉ねぎを切りながら須藤は聞いた
「宮下くんの下の名前ってなんていうの?」
そういえば言ってなかったか
でも俺はあまり下の名前を言いたくなかった
言うのを躊躇ったが、こいつになら教えてもいいかなって思えた
「さ、咲良」
両親には悪いけど、女みたいな名前で昔からこの名前が好きじゃない
だから小中学のときは同級生に下の名前で呼ばれることを執拗に拒んだ
須藤は視線を玉ねぎに落としたまま「へえ、可愛い名前だね」と微笑んだ
「可愛い名前やだ」
と口を尖らせると
「漢字は?」と聞かれたので「咲くに良い」と答えたら須藤は少し考えた後
「咲くって、『笑う』の旧字らしいよ」
といった
言葉の意図が分からず「ふーん」と言って首を傾げると須藤が
「宮下くんもニコニコ笑えばいいのにねえ」
と独り言のように言った
「わっ、悪かったな!」
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