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創立記念日も過ぎ、休みを挟んでの登校はまあまあ普通だった
まだ視線は痛いが須藤の言葉を思い出しながら精神を安定させた
やはり今のところ話しかけてくれるのは南と紀伊しかいなかった
話しかけてくれる人がいるだけで有り難かった
体育の時間が迫り着替えようと体操着を持って廊下を歩いていると、暗い雰囲気を纏った少年とすれ違った
「っ?」
妙な違和感を感じ振り返るとその少年は小柄で闇のように真っ黒な髪の毛に、後ろからだからよくわからないが猫背気味に淡々と歩いていた
目が離せなくて背中を見つめていると少年の前方に紀伊が見えた
俺は曲がり角に隠れて様子を伺った
このまま2人がすれ違えばなんの問題もないのだが、紀伊はその少年に抑揚のない声で話しかけた
「どうしたの、佐野が此処にくるなんて珍しいね」
「勘違いしないでくれるかい 。
別に君に用があって来たわけじゃないよ
そこを退いてくれ、邪魔だ」
佐野、と確かに紀伊はそう言った
思わず息を飲んでしまった
佐野はまるで紀伊なんか眼中にないような素振りで紀伊にキツイ言葉を発した
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