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ミエルンデス4
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そして短い悲鳴とパラパラと何かが床に落ちる音。
「林田先生!徳川大丈夫か!」
鈴木先生の声もついでに………って、失礼か。
何が大丈夫?って思って周りを見ようとして、モフっと布に顔があたり、しかも視界が真っ暗。
おや?さっきと何か似てる………つーか、俺、また徳川の腕の中じゃん!
そう気付いたのは数秒後。
パラパラと床に落ちているガラスの破片。
えっ?また?それともデジャヴ現象?
「なんで蛍光灯が割れたんだ?」
鈴木先生の言葉で床に落ちている破片は蛍光灯だと理解。
「せんせ?無事?」
真上から徳川のイケメンボイス。
しょえー!俺、まだ腕の中じゃん!
慌てて離れた。
「徳川、お前、血が!」
鈴木先生が徳川の腕を掴む。
えっ?怪我?
見ると手の甲が切れて血が滲んでいる!
げっ!俺をかばったからじゃん!!
慌てる俺。
「と、徳川保健室に!」
徳川の手を取り職員室を出る。
わあ、俺ってば今日は徳川に2回も助けられた。
先生なのに!俺が生徒を守らなきゃいけないのに!
ダメダメじゃんか!
そして、保健室リターン。
「あら?意外と早いおかえりで」
天海先生がにこやかに出迎えてくれた。
「徳川が怪我して」
「次は徳川くんなの?みせて」
天海先生は徳川の手を取る。
「消毒してあげるから座って」
そう言って徳川を座らせると、薬箱を持ってくる。
「消毒だけでいいんですか?血が!」
縫わないで大丈夫なのか?なんて心配する俺。
だって、血が結構出でたような?
「消毒だけでいいわよ、林田先生って心配性」
天海先生は徳川の手当をしながら話す。えっ?片手間治療?
「心配性って………だって、俺のせいで」
「俺のせい?林田先生、何したの?」
「なにって…………えっ、なんだろう?」
あ、そう言えばどうして蛍光灯が割れたのだろう?
「なんだろう?って何?気になる!」
「いや……あの、蛍光灯が急に割れて……」
どう説明したら良いのだろう?
「何か当たったんですか?」
天海先生の質問に首を振る。
いいや、何も………?だって、ボールとかだったら床に落ちているはずだろ?
何も無かった。
うん、無かった……んじぁ、何でだろう?
そういえば、職員室に行く前にも花瓶が当たりそうになったよな?
あれは偶然?
今日はなんだか、変な日だ。
「はい、手当終わり!徳川くんも帰宅しなきゃ、林田先生が送ってく?」
「えっ?あ、はい!」
徳川が俺を見ている。
ガン見というか……徳川は眼力あるから、あまり見ないで欲しい。
「よろしく、センセ」
徳川は立ち上がり俺の前に。
あー、くそ!やっぱデカイ!
◆◆◆◆◆
鈴木先生に徳川を家に送ると伝えて、学校を出た。
親御さんに謝らなきゃなあ。
俺をかばって怪我したんだから。
「ねえ、先生の髪の色って染めてんの?」
「えっ?髪?」
突然の質問に顔を上げた。
「そう、髪」
あっ、髪か……たまに染てるって言われるんだけど、
「これは地毛だ。」
うん、薄い茶色の髪のせいで学生時代はヤンキーと思われ苦労した。
「どっか血が混じってんの?」
「爺さんがイギリス人。」
「へえ………そうなんだ」
俺はクォーターで、男なのに色白とか髪がヤンキーだの、女顔だの……もう、色々とね。
「陽に透けると金色っぽく見えるから……綺麗だなって、思ってたんだ」
そう言って徳川は静かに微笑む。
うっ……なんか、大人っぽい微笑み。
高校生だよな?
「そ、そうか」
俺は下を向く。
べ、別に照れてるんじゃないからね!なんてツンデレ女子みたいな台詞を心で吐いてみる。
「ね、先生、たぶん、大丈夫とは思うんだけど、ガラスがある場所に近づいちゃダメだからね」
「はっ?」
下を向いてた俺はわけわかんない言葉で顔を上げた。
「先生には強力な護りあるから大丈夫なんだけど、でも……心配なんだよね」
…………………えっーと、何を言ってるのかな?
どう反応すればいいのかな?
「あ、あのさ、からかってる?」
どう言葉を返して良いか分からずにとりあえず、聞いてみる。
「いや」
はい、即答。
「じゃあ、何を言ってるのか1から説明っていうか……主語抜かして話したら理解出来ないんだけども?」
徳川が俺に何を言いたいのか分からないって!
あ、何か悩んでいるとか?
「先生って、………可愛いね」
ニコッと笑う徳川。
か、可愛い?
くわー!生徒に可愛いとか!あー、もう!コイツも俺をからかってんのか?
「からかってんのなら先生、怒るからな!」
威嚇してみる。
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