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初めてのこと……荒川遥斗
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起きた同室者の声は驚くほど甘く
そして凛としていた。
声を聞くだけで
ずっしりと腰に来て
俺のものが微かに反応する
そいつから発せられる一言一句
すべてが頭にこびりついて
飽和されることがなく
俺の頭の中に居座る
それにこいつが動く度に
爽やかな
シトラスグーリーンの香りと
チョコのような
濃厚で甘い香りが
俺の頭を直接的に刺激してくる
残り香程度の香りなのに頭がクラクラして
理性を揺さぶる様なそんな香りだった……
直感的に俺のモノにしてぇと思えた
こんな風になるのはきっとコイツだけだと
思えた
だからコイツの事はどんな手を使ってでも
俺のモノにしてやる……
それにちょうど今起きたし
襲うなら絶好のチャンスだ……
だけど何故か手が出せずにいる。
今までになかった事で
どーすりゃいいのか
わからないままその日はおわった……
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