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愉快な仲間たち 2
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それから始まった飲み会。
俺は今、目の保養をしている。
方やハニーブラウンの髪をひとつに束ね、ハニーフェイスに笑みを浮かべる人物。
方や銀色の髪を揺らし、神秘的な色の目を細め笑う人物。
この二人、すっげー豪華です。
仲がいいのか、二人は話が弾んでいるようだ。
声のトーンを落として話しているので、会話の内容はこっちには聞こえない。
「なんか…並ぶとすげー二人っすね」
思わずそんなつぶやきがもれる。
「学園の二大アイドルだったからなぁ」
「そうそ!何人の生徒が二人の虜になったか…。
しかも二人、自分の武器が分かってっからさ。タチが悪いのなんのって!」
高遠さんも社長も、懐かしそうに話す。
「あぁ、青学って男子校ですもんね。アイドルとか、うわ。なんか分かるかも」
この容姿じゃ、男子校でモテないわけないよな。
「素朴な疑問なんですけど…やっぱりゲイとか多いんですか?」
俺の質問に答えてくれたのは社長。
「初めからゲイな奴は少ないかもだけど、学園に感化されていく奴がいるな。
特殊な空間だからなぁ、あそこは。多さでいくと、バイな奴が一番多い」
そうなんだ…。
「まぁ、男に走るのは大半が遊び半分だよ。あそこに通うのは将来を決められた奴ばかりだし。
ゆくゆくは政略結婚、後継ぎを残すしかない。学園に通う間だけ、自由に遊んでんだ。
中には本気で好きになって、家を巻き込む騒動になる場合もあるけど」
高遠さんが社長の話を引き継いだ。
「…なんか結構複雑ですね」
「まぁな。
長男だったり一人息子だったりするとキツイもんがあるよ。男に本気で恋をすると」
そうか…。自由に恋をすることも、出来ないんだ…。
なんか、切ない話。
「その点、俺らはお気楽組なんだよ。俺は次男、肇は三男。
家は長男が継いで、ちゃんと子供もいるし。
あ、俺んとこも肇んとこも、兄貴らは政略結婚じゃなく恋愛だしな。
俺がバイなのも家族は知ってるし。好きにしろって感じ。
肇んとこもだし。な?」
「あぁ。俺のところも、俺がバイなのも知ってる」
二人は、恵まれてる環境にいるってことなんだな。
「何話してんだ?」
納得していると、奏の声。
奏と白川さんがこっちを見ていた。
「俺と葵の家は、円満っつー話。あ、奏だって両親に言ってあんだよな?ゲイだって」
「ん?あぁ。12か13歳ぐらいに言ったな。
海外は日本よりオープンだから、あんまり驚かれなかった」
逆に青学のこと言ったら、素敵な恋人を見つけてこいって応援された、と笑った。
なんか、すげー両親だな。
「聖夜が一番大変だったんじゃね?」
奏が白川さんを見る。
「ん?別に大変でもなかったけど?」
白川さんは首を傾げ、奏を見返した。
「周りから見たら、波瀾万丈だったっつの」
社長が白川さんに突っ込んだ。
不思議そうな顔をした俺に気づいた高遠さんが、説明をしてくれる。
「聖夜の恋人は、日本屈指の大財閥の長男なんだよ」
「え。」
「ま、今は円満解決でラブラブだけどねー」
社長の不満げな声。眉間にシワを寄せていた。
そんな社長に首を傾げていると、奏が教えてくれる。
「葵は隆盛先輩…あ、聖夜の恋人な。隆盛先輩にいつも睨まれてたんだよ。
聖夜にちょっかいかけてたから」
若干呆れたような表情の奏。
俺は社長の行動を思い出す。
そりゃ、自分の恋人にあんな事されたら睨む気持ちも分かるかも。
「ただ友達としてスキンシップとってただけだろー」
どこが悪いんだ、とばかりにすまし顏の社長。
「いや、あれは友達の行動じゃねーし」
「ただの変態だ」
「つーか、ウザかったし」
「なんか色々残念ですね」
奏、高遠さん、白川さん、俺の順ですかさず社長に突っ込んだ。
「っつか、今更なんですけど…こんな昼間っから飲んだくれてていいんですか?」
俺はみんなを見る。
「とくに社長。」
社長で視線を止めた。
「いーんだよ。普段やるこたやってんだから。
それに聖夜が来るってのに、来ないわけにはいかねーだろ!酔い潰して、あんなことやこんな…」
「葵ウザイ、だまれ、隆盛呼ぶぞ」
「嘘です、ハイ…」
なんか力関係が見事に分かるな。
「葵は置いといて、俺も奏も篤も休みだからいいんだよ。
聖夜も休みだろ?」
「あぁ、向こうで働きっぱなしだったから、今日から一週間休みもぎ取った」
「一週間とかよく隆盛先輩許可したな」
「昨日頑張ってお願いした」
「あぁ、それで腰痛いのか」
「うん。アイツやりすぎ。バケもんかっつの」
「あー、強そうだもんな。テクニックとか半端なさそうだし」
「しつこいんだよな。触り方とかやらしいし」
「昨日何回ぐらいしたんだ?」
「えー、覚えてねぇ。気が付いたら朝だったし」
「頑張るねぇ」
俺はグラスを持ったまま、高遠さんと白川さんの会話に固まる。
な、なんか想像…というより、妄想が…。
「おい、やめとけ。篤が固まってる」
俺を見かねた奏が、苦笑を浮かべながら二人の会話を止めた。
「あ?わりぃ。篤もいるんだったな。刺激が強かったか」
高遠さんがクックッと笑って俺を見た。
…なんか、子供扱い?少し、ムッとする。
「篤って呼んでいいか?」
白川さんがじぃっと俺を見た。
おぉ、なんか目力ありますね。
「え?あ、ハイ」
「俺も名前でいいからな。篤は、同性愛に偏見ないのか?」
「あー、じゃあ聖夜さんって呼びます。
別に無いですよ?業界人にもけっこういますし」
現に今、俺は男(奏)が好きだし。
そう思って俺はちらっと奏を見る。
俺が作ったツマミを食べて、うまっとつぶやいていた。
そんな姿に顔が綻ぶ。
「…そっか。良かった」
…ん?良かった?
その言葉に俺は聖夜さんに視線を戻す。
聖夜さんは優しい笑顔を浮かべていた。
…なんか神々しいな、その笑顔。
その笑顔に、疑問はどこかに飛んでしまった。
それから俺たちは奏たちが学生の頃の話しや、俺の学生の頃の話などで盛り上がった。
途中、奏と聖夜さんはお酒からジュースへと変更。
奏はあんまり強くないからだろうけど、聖夜さんはなんでだろうと思ったら、恋人の隆盛さん?にあまり飲むなと止められているそうだ。
高遠さんが、俺が怒られるから、もう飲むなと聖夜さんのお酒をジュースに取り替えていた。
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