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愉快な仲間たち 3
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昼の1時過ぎぐらいから始まった宴会。
楽しい時間はあっという間に過ぎて行き、今は夕方の5時。
お酒が底をつき、ジャンケンに負けた俺と社長が片道15分かけて歩いて買いに行った。
酒入って運転できないしね。
帰ってくると、奏と聖夜さんが仲良く寄り添って雑魚寝。
高遠さんいわく、聖夜さんが疲れて寝てしまい、奏もそれにつられて寝てしまったそうだ。
「か、可愛いな、オイ…」
そうつぶやく社長に高遠さんと俺は冷たい視線を送る。
…まぁ、でも確かに微笑ましい図だ。
奏よりは大人びた顔をしているものの、聖夜さんだって俺より少し上、21、2ぐらいにしか見えない。
ほんと、綺麗な顔をした人たちだ、と感心する。
高遠さんと社長だって整った顔してるしなぁ。
「どうした?」
俺があまりにもみんなの顔をじっと見回していたので、高遠さんが不思議そうにしている。
「いや、青学って顔が良くないと入れないのかなって」
「なんだ、ソレ。んなワケねーだろ」
と、社長が笑う。
「この人たちもそうですけど、社長たちだってめちゃめちゃ顔整ってますもん。俺、自信なくしそうっす」
「なーに言ってやがる。お前だって充分魅力的な容姿してんよ。
お前の写真見て、一目惚れする奴だっているんだし」
「え?」
社長が意味ありげにニンマリと笑っている。
「お前は俺の事務所のイチ押しだからなー。期待してるし、これからも頑張ってくれよ」
「あ、ハイ」
…なんだ?
なんかうまくまとめられた…?
なにか引っかかった気もするけど、社長の言葉が嬉しくなり違う話題になっていく会話に耳を傾けた。
それから30分程して奏が起きて。
「聖夜ー、起きろ」
奏が聖夜さんを揺する。
「ん…まだ…寝かせて…」
少しかすれた声に、思わずドキッとしてしまった。
「しょーがねぇな、俺がベッドに運んで一緒に寝て」
「聖夜、変態のスイッチが入るから、起きろ」
「…ん…?」
強く揺さぶられ、聖夜さんがムクッと起き上がる。
目を擦り少し寝ぼけた姿は、庇護欲が沸き上がり、また同時に征服欲も掻き立てられる。
わぁ、この人、なんかすごい。
色んなフェロモン出てんじゃなかろーか。
案の定、一人の変態が動き出す。あ、ごめんなさい社長。つい本音が。
「なんなの、その可愛さ!」
とのたまいながらギュウッと聖夜さんに抱き着いた。
「ん…葵、離れて…」
「いーやーだー!」
まだ寝ぼけているのか、聖夜さんの抵抗と口調が弱い。
「聖夜さん、寝起き悪いの?」
「自分の意志で目覚める時は普通。
だけど、誰かに起こされたりすると覚醒が遅いんだよ」
社長を見て呆れている奏。
「はぁ。…聖夜、ケーキ食うか」
突如奏がそう言った。瞬間。
「ケーキ!食う!ちっ。離れろ、葵。ウザイ。」
「ぐはっ。…俺の幸せタイム、強制終了…」
聖夜さんが社長の胸を肘で突いた。
…けっこう強く。
未だ咳込んでいる社長を放置して、奏と聖夜さんはキッチンにいき、ケーキとお茶の用意をしていた。
「聖夜はケーキ大好きだからなぁ。睡眠欲に食欲が勝ったか」
と、高遠さんは他人事よろしくつぶやき、酒を飲んでいる。
…なんか、皆さん、マイペースなんですね…。
愉快な人が多い。…色んな意味で。
俺達背の高い組はまだ酒を飲んでいたので、小さい組のみ仲良くケーキをつついていた。
奏もケーキが好きだから、ニコニコと嬉しそう。
…うん、可愛い。
「見ようによっては、女子の集いだな」
高遠さんが二人を眺めながらしみじみ言う。
た、確かに…。
「高校の時もこんな感じでしたか?」
「そうそ。よく学食で仲良くケーキ食べてた」
落ち着いたらしい社長が戻ってきた。
それから高遠さんと社長は、この見目麗しい二人がいかに小悪魔だったか、面白おかしく聞かせてくれた。
学食にある季節限定数量限定販売のフルーツパフェを物欲しげに見てゲットしたり、キッチンスタッフと仲良くなっていつも二人が頼むケーキセットは特別仕様だったとか。
あと笑顔で何でも許された、とか。
「あー?俺らは何もしてねっつの。な、聖夜」
「そうそ。ただ、うまそーだなぁとかつぶやいたりしただけだよな?
何が小悪魔だ。死なすぞ、バカ共」
「いっぺん聖夜に殺(ヤ)られろ、バカ共」
ケーキ食べながら、死なすぞとか殺られろとか…。
え、ギャップなの?コレ。萌え?
「二人とも顔とは裏腹に口悪いですよね…」
とポツリと感想を漏らしたら、社長が熱弁をふるいだす。
「そこがツボなんだよ!媚び売るんじゃなく強気な態度。
ベッドに押し倒して、めちゃくちゃに喘がせて、服従させてみたく…」
「バカは死ななきゃ治らないっつーよな?」
「せ、聖夜くん、そのフォークの先が向かうのは…?」
「眉間?あ、眉間じゃ死なねーか。バカがバージョンアップするだけだな。じゃあ頸動脈。」
「じゃあとかじゃねぇから!怖いから!フォークを首から離して!」
「何か言うことは?」
「すみません、調子に乗りました!」
なんか、今日一日で社長の株大暴落です。
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