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愉快な仲間たち 4
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その後もダラダラと飲み会は続き、今は夜の11時。
約10時間も飲んでいたのか。
まぁ、休憩を挟んだりで飲みっぱなしってワケじゃなかったけど。
俺は今、奏と二人で後片付けをしている。
明日昼から映画の撮影が入っているため、俺はもう飲むのをやめた。
すると高遠さんと社長は部屋で飲む、とお酒とツマミを持って二階へ上がっていった。
今夜は泊まるつもりらしい聖夜さんは、奏に着替えを借りると、風呂へ行った。
「悪かったな。せっかくの一日オフなのに、付き合わせて」
「ん?楽しかったよ?奏の学生時代のこととか聞けて」
「そっか。なら良かった」
お皿の汚れを軽く水で流し、奏に渡していく。
奏は受け取った皿を食洗機に入れていった。
「よし、おしまい。コーヒーでも飲むか」
奏がコーヒーメーカーにコーヒーをセットしていく。
出来上がるまで、ソファに座って待つことにした。
「社長って、もっと男らしい人だと思ってた」
聖夜さんにした数々のセクハラを思い出す。
「あぁ~、アレな。病気だ、病気。葵が言うには、聖夜は完璧なんだと」
「まぁ、確かに人の目を惹く容姿してるよね」
「なんだ?聖夜に惚れたか?」
ニヤニヤと笑う奏。
「なんでそうなるの。一般的な意見だよ。
それに、奏だって惹かれる容姿してるよ?」
「は?」
「髪とか超サラサラだし。
聖夜さんのミドリの目も綺麗だけど、奏の目もすっげ神秘的。
綺麗で俺思わず見とれちゃったもん」
「なっ…」
バッと俯く奏。
あれ?…もしかして。
「照れてる?」
「うっせ…っ」
照れてるのか。
綺麗とか言われ慣れてそうなのに。
「可愛いね、奏」
「っ!…10歳も上をからかうな!」
「からかってないし。ホントのこと言っただけだし」
「なっ…!…あー、もう…」
顔を両手で覆う奏。
え?どうしたんだろ…?
「…イチャついてるとこわりぃけど、風呂ありがと。
どっちか入ってくれば?」
リビングのドアが開き、奏のパジャマを着た聖夜さんが入ってきた。
「あ、二人で入ってくるか?」
ニヤ、と笑い俺と奏を交互に見てくる。
「っ!俺先に入ってくるっ」
と、逃げるようにリビングを去って行く奏。
チラリと見ると、耳が赤かった。
う~ん。
少しは意識してくれてるのかな?
それともただ照れただけ?
とりあえず奏に対する好意は素直に言っていこう。
あんな反応されたら、嬉しいっての。
「ほれ、篤」
奏の事を考えていると、聖夜さんがコーヒーをテーブルに置いてくれた。
「あっすみません。お客さまなのに…」
「いーよ。奏の事考えるので頭いっぱいみたいだし」
「あぁ、ハイ…。
───え?」
俺は目をパチクリさせて聖夜さんを見た。
聖夜さんはおかしそうに、クックッと笑っている。
「当たり?」
「いや、ハイ、まぁ…って、何で…」
「俺さ、結構人の感情に敏感なんだよ」
立ったままだった聖夜さんは向かいのソファに座り、コーヒーを一口飲んだ。
「好きなんだろ?奏のこと」
ジ…と、あのミドリの目で見てくる。
「…はい。」
するとふっと優しい表情で笑った。
「なんとなく最初の段階でそうかなぁとは思ったけど。
同性愛に偏見はないのか?って聞いたとき、お前一瞬奏を見たしな。それが決定打」
聖夜さんは、するどい観察眼をお持ちのようだ。
「あいつ、今フリーだよ。っつーか三年前から恋人いない。
ま、頑張れ」
応援してやるよ。
と、心強い言葉をもらった。
俺を奏の恋人候補として認めてもらえたみたいで、嬉しくなる。
「頑張ります」
それから聖夜さんには、奏が好きな物や、喜ぶ事を教えてもらった。
よし。ひとつひとつ実行していこう。
そう企む俺だった。
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