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リスキー 1
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「あ、篤。ポスターできあがったって連絡来たぞ、リスキーの」
「わ、マジすか!」
仕事帰り、社長室に寄ると嬉しい連絡。
出来たんだー。
どんなんだろ。
「いい出来具合だっつってた。あの雑誌の表紙よりも色気ダダ漏れだってさ」
色気?…ダダ漏れ?
「…なんですか、それは」
ケラケラ笑いながら、ん。って社長が渡してきたのは、紙を筒状に丸めたもの。
「さぁ?和馬がそー言ってたから。コレ、見本。やるってよ」
「ありがとうございます!」
ポスターを受け取る。
見本!マジ嬉しい!
「12月の頭に、一気にその広告が街に溢れる。
しっかし9月からお前忙しいな。有線で流して、テレビで歌って、雑誌で違う一面見せて…全部大反響。
映画とリスキーの反響も楽しみだなぁ」
「…プレッシャーかけてんすか?」
すると社長はふはって笑って、俺の頭をグシャグシャ!ってかき混ぜた。
「ちげーよ。誇りに思ってんの。ウチの奴は、やるだろーって」
うわ…。
…めちゃめちゃ、嬉しい。
「…ありがとうございます」
「おう。これからもお前らしく、頑張れよ」
「ハイ!」
「奏~、ただいまぁ」
「おかえり」
「見て見て。リスキーのポスター出来たんだって。見本もらった!」
「お、マジで?見せろよ」
実は俺もまだ見てないんだよね。
奏と一緒に見ようと思って。
リビングのソファで、ポスターを広げる。
うわ。
自分で言うのも何だけど…よく撮れてる。
上半身は裸で、下は黒のデニム。
ボタンは外されてて、少しだけジッパーが下げられてる。
水瀬さんの指示だったんだけどね。
そこから、少しだけ黒のボクサーパンツが覗いてたりするんだけど。
右手は軽くデニムにかかってて、左手は自然に下ろされてるポーズだ。
俺、3割増しどころか…5割増し?
ってぐらい、男前度が上がってる気がする。
やっぱ水瀬さんすげー!…とか考えてたら、隣に座る奏が一言も発さないのに気づいた。
「奏?え、変?」
自分的には、すげー気にいったんだけど…。
すると奏は、ふるふる…っと首を横に振った。
「…いや、…うん。すげーかっこいい、よ…」
「ほんとっ?」
「でも…」
ん?でも?
「コレ、街中にバンバン貼られんだよなぁ…」
と、なにやら複雑そうにつぶやいた奏。
「そーだけど…」
奏はくるっと横を向いて、俺を見上げてきた。
「お前…色気ダダ漏れ」
…社長と同じことを言いました。
「…うぬぼれ発言していい?」
少し頬を赤らめる奏。
「このとき…前の雑誌みたいに、俺のこと考えてた…?」
「…うん。雑誌の撮影以上に考えてたかも」
だって水瀬さんにそうしろって言われたし。
頷くと、奏はかぁっ!っとますます頬を赤らめた。
「…っ、そ、っか」
…うん。
とりあえずかわいいんだけどさ。
疑問。
「なんでそんな、顔赤くするの?」
「…う、いや、だって…、」
視線をキョロキョロさまよわせ、しどろもどろになる奏。
続きをうながすと、目を伏せて、ぽそりとつぶやいた。
「…なん、か、エッチしてるときの…おまえ、みたい、で…」
…へ?
「えっ…、えぇぇぇぇっ?!」
エ、エエエエッチんときの、俺…っ?
「……。」
思わずじぃぃぃっとポスターを眺めた。
…俺、こんな顔してんの?
「いや、あの、エッチんときはもっと…その、スゴイんだけどっ…って!何言ってんだ、俺は…!
っだからっ、そんな雰囲気の顔してんだよっ。うう~」
うなる奏の横で、ぽかんとポスターを眺めたままの俺。
…ちょ、そんなこと言われたら…どーしたらいいの、俺。
街中に貼られちゃうんですけど。
そこに、俺の携帯が鳴った。
ん?社長?
携帯の画面には、一色葵(社長)文字。
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