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篤に指導を行うなか、篤が仕事に言っている間に曲作りに励む。
ーーが。
必死に言葉をたぐりよせては、これは違う、それはイマイチ、などとなかなか作詞が進まない。
あぁぁぁぁ。
行き詰まってんな、俺…。
書いても、書いても。
納得のいくもんができない。
原因は、わかってる。
篤を想って書いたあの歌。
あの歌が…ずっと頭に張り付いて離れない。
くっそ。…どうすっかなぁ。
今日はもうヤメ!と投げ出し、ひと息いれるべくリビングに行き、野菜ジュースをグラスにいれて一気に飲み干す。
ソファに寝転がり、ボーッと天井を見つめていると、だんだんとまぶたが重くなってきた。
その心地よさに、俺は抗うことなく身を任せた。
『ーーー奏』
耳元で、優しく囁く声。
『ーーー奏』
ーーー篤。
篤の唇が、耳に触れる。
やがて唇は首筋をたどり、喉を吸い上げ、反対側の耳に。
『ーーー奏、好きだよ』
……あぁ、夢か。
夢なら、言ってもいいのかな。
俺も、好きだって。
篤の熱い手のひらが、俺の体をなぞっていく。
ははっ。
俺、篤にそんなこと望んでんのかな。
夢にまで見るなんて…欲求不満かよ。
やがて篤の手は、軽く形を変え始めた下腹部にたどり着いた。
『ーーー奏』
服の上からなぞられ、どんどん形を変えていく自分のモノ。
服をずらされ、下着も脱がされ、その熱い手のひらの感触が直接伝わり、声がもれる。
「……んっ」
やがて上下にこすり始め、その生々しい感触に、俺は唐突に目が覚めた。
「……は?は、はじめ…?ちょ、おまっ、んっ…」
ソファに寝転がる俺の横に、床に膝をついて俺のモノをしごく肇。
「ちょっ、待て待て待てっ…おまっいつ来た…っ」
「さっき。書類取りにきただけなんだが、お前のが反応してたから。
エロい夢でも見たのか?」
その通りな俺は、うっと言葉をつまらせる。
「抜いてくれる相手もいねーのに、もういいなんて言うから欲求不満になんだよ。
お前の抜くなんて、なんの感情も沸かないから俺と葵に対して遠慮することねぇって言ってんだろ?」
「んなことわかってるっつーの…。
お前と葵の仲なんてイヤっつーぐれぇ見てきてんだから…。
そういうことじゃなくて、嫌なんだよ。……篤のこと、思うと…」
篤をこの目に焼きつけたあの日から、俺のベクトルは全部篤にいってて。
だけど眺めているだけのときは、こいつらに甘えていた。
でも本人に出会って、一緒に暮らすようになって。
ふと、篤の体温を間近に感じる瞬間があって。
そん時、俺は…あぁ、俺、篤以外に触れられたくないかもって。
そう思ったんだ。
そんな俺の心情をおそらく肇は感じ取っているはず。
なのに。
「んっ、ちょ、はじっ…んんっ」
肇の手が、またせわしなく動き始めた。
その手を止めるべく、両手を伸ばす…が。
肇はあっさり俺の両手を抑え、的確に俺を追い上げようとする。
「や、はじめっ、やめ…ンンっ…」
俺の感じるポイントを知りすぎてる肇はそこばかりを攻め、イヤだと思っても快感は押し寄せてくる。
「今更やめたら、お前が辛いだけだろうが。
いいから黙ってろ」
それでも俺は、首を横に振って訴える。
「や、ぅンっ…、つらく、ても、い…からっ…」
それでも肇は手を止めない。
「奏。いいから黙れ」
必死に我慢をするものの、敏感なところをこすられては、その我慢も限界にくる。
「ふ、や、はじっ…も、ダメ…っ」
「我慢すんな」
俺の限界を感じた肇は、先っぽを親指で引っ掻いた。
その瞬間、俺はあっけなく弾ける。
「っっ…あぁッッ!」
肇はようやく俺から手を離すと、テーブルに置いてあったティッシュを数枚俺に寄越し、そして自分の手を拭っている。
俺といえば、渡されたティッシュで汚れたそこを拭おうと手を伸ばす。
思ったよりも飛び散っていない自分の液。
肇がほとんど手で受け止めてくれたのだと知り、情けなさが倍増した。
肇が手を出したので、反射的に汚れを拭き取ったティッシュを渡した、その瞬間。
カチャンっとリビングのドアが開いた音が聞こえた。
ーーーえ?
ティッシュをゴミ箱に投げ入れた肇がドアに近づく。
ーーーこの家に入ってれるのは、鍵を持つ人物のみ。
…まさか……
開いたドアの向こうにいる人物の名前を、肇が呼んだ。
……篤、と。
咄嗟に起き上がろうと手をソファに突くが、その手はソファの端で滑り、ドサっと体が落ちた。
篤が中に入ってくる気配がする。
肇に服をちゃんとしろと言われ、まだ下がったままだと気づく。
慌てて服をなおし、篤の向かい側に座るも、顔を上げられない。
ーーー最悪だ。
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