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私立西園寺学園へようこそ。
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衝撃的な事実を2つも叩き付けられたあの日から1週間後の今日。
超難関と呼ばれる私立の編入試験もなんとかクリアし、荷物を纏め、数少ない親友に別れを告げた俺は。
デカイ門の前に居た。
(デカすぎる…)
季節はなんとも微妙な5月下旬。
まだまだ肌寒いので、さっさと中に入りたい
とりあえずインターホンを鳴らす
ピンポーン
『はい、私立西園寺学園、門衛です。ご用件をどうぞ』
「あ、えと。編入生難波朝陽、です」
『難波様ですね。はい、承っております。門をお開け致しますので、どうぞお入り下さい』
プツッ…
インターホンが切れてからすぐ門が音も無く開く
(確か、迎えが来るはずなんだが)
朝陽が周りを見回しソワソワとしていると
1人の生徒がやってきた
「やぁ、待たせたね。難波くん」
「…あの」
「あぁ、ゴメンね?僕は藤 龍亞(ふじ りゅうあ)生徒会副会長をしてるんだ」
「難波朝陽です。よろしくお願いします」
第一印象は面白くない奴。
俺と似てる奴。そう思った。
周りと関わるのが面倒くさくて、本当の自分を見せるのが嫌で隠してる。
その方が楽だから。まぁ、誰でもそうか。
「藤先輩…も、面倒くさがりなんですね」
「それ、どういう意味?」
「あ…すいません。忘れて下さい」
面倒くさがり。
その事実に少しだが親近感が湧いて
つい、声に出してしまった。
機会があれば仲良くしてみたい。
純粋にそう思えたから、久々に人に向かって笑ってみた。
「っ!?…僕は忙しいから、さっさと案内も済まそうか」
(…やっぱり、俺が笑うとビックリするものなのか?)
龍亞が驚いた本当の理由に、朝陽は気付かないまま早足で行ってしまった彼を追いかけた
門から数十分歩いた頃、やっとそれは姿を現した。
「これが寮で、あっちの奥に見えるのが校舎棟。その隣が特別棟だよ。初めは憶えられないと思うから、同室の子にでも教えて貰って少しずつ慣れていくといいよ」
「はい、頑張ります」
初めて見る巨大な建物に混乱しつつも、堅苦しく返す朝陽を見て龍亞はフフ、と少し笑った
それに気付いた朝陽は、悪い笑いではないとわかり龍亞に笑い返す
「っ///…ゴホゴホッ、理事長が待ってるから早く行くよ!」
(風邪でも引いてるのか?)
見当外れなことを思いつつ、朝陽達は校舎棟にある理事長室へ向かった
エレベーターの中で俺はある程度
説明を受けた
さっきも教えてもらった通り、校舎は3つ
寮棟・校舎棟・特別棟
それに加えて第1体育館と第2体育館。柔道場や弓道、剣道場がある武道館。
式典などを行う講堂は第1体育館の二階にあること。
寮棟は一階はエントランスと寮監室や警備室
二階は食堂
三階は一年
四階は二年
五階が三年それぞれの部屋がある階で
六階には大浴場や娯楽施設
七階には教員部屋が、
八階には役員部屋があるらしい
ルームキーとなるカードは学年別に色が違い、1年はレッド、2年はグリーン、3年はパープルで。
生徒会はゴールド、風紀委員はシルバー
教員はホワイト、理事長はブラック
八階にはゴールド、シルバーまたは教員、理事長のカードが無いとエレベーターが作動しない仕組みになっているみたいだ
(…面倒なところに来てしまった)
色々話を聞き終えた頃、やっと理事長室に辿り着いた
「僕はこれから仕事があるから、先に帰るけど。この後は一階の寮監室へ行ってカードキーを貰ってから部屋へ行くんだよ」
「はい、ご丁寧にありがとうございました。藤先輩」
「んーん、じゃあ、またね」
藤先輩を見送ってから、俺は深呼吸をして重厚なドアをノックした
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