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犬猿の三つ巴
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教室を出た朝陽はある場所へと向かっていた
校舎棟のエレベーターへと乗り込んだ朝陽は5階のボタンを迷いなく押した
『カードの挿入をお願いします』
ピピッブーーー
『シルバーカード以上のカードの挿入をお願いします』
そう告げる音声に朝陽はため息をこぼす
(嗚呼、忘れてた。…めんどくさい)
ピピッ…ブーン
『ポーン、5階です』
エレベーターの到着を告げる音を聞きながら
目的地へと足を早める
しばらく歩いたところでふと朝陽の足が止まった。
金色に縁取られた赤色の大きな二枚扉
そこにはインターホンはなく真ん中に同じ金色のドアノックハンドルがあり、だが朝陽はそれを使わずに扉を開け足を踏み入れた
「朝陽ッ!?」
「おい、朝陽。テメェどうやってここまで来た」
「「え、え、この子誰なのぉ」なのぉ」
「…誰」
「へへッすんげぇメガネ、コイツおもしれぇのな…つか誰。」
(…めんどくさい)
見事ハモった6人は
上から
藤 龍亞
鈴城 拓海
柳生 陸・海((やぎゅう りく・うみ))
加賀美 俊(かがみ しゅん)
真白 凌(ましろ しの)
そう、朝陽の目指していた目的地とは
"生徒会室"だったのだ
「藤先輩。俺、選ばれたから来たんですけど」
そういって紙を全員に見えるよう前に突き出す
「…僕とかと思ったんですが、まさか」
「フンッ、俺と当たるとは運命だな。朝陽、チュッ」
拓海は甘い言葉を吐きつつ、朝陽の首筋にキスを落とした
すると生徒会室の温度がガクンと下がったが当の本人の拓海は全く気にしてなどいない様で。
朝陽も気持ち悪がってはいたものの、特に何をするでもなくただ睨みつけるだけであった
その様子に龍亞の頬が引き攣り、数秒後落ちるであろう雷に他の4人は耳を塞いだ
「全く拓海はッ‼︎生徒会長という自覚をもっと持って下さいッ‼︎生徒会長がそんなふしだらで、絶倫で、自己中ではいけないでしょう‼︎あなたはいつもいつも面倒事を起こすは風紀を乱すはなんなんですかッ‼︎問題児ですかッ!?それに、新歓で同じ班になったからといって調子に乗らないで下さいッ‼︎首筋にキスまでしてッ………羨ましい(ボソッ」
普段温和な龍亞の饒舌ぶりに、ポカーンとまぬけに口を大きく開け、呆ける朝陽
「お前、最後のが一番本音だろ」
図星だったのかすぐ赤面する龍亞はプルプルと震えている
「ッうるさい///」
そんな龍亞を見て朝陽は近づき
ギュッ
「あ、あ、あああ朝陽ッ!?」
龍亞を抱き締めた
龍亞の首筋に顔をうずめ、呟く
「俺は藤先輩の言葉だけ気にする。だから、アイツの言うこと、気にしなくても良いと思う」
更にギュッと力を込めて龍亞を抱き締める朝陽に、龍亞は心が暖かくなるのを感じた
まるで、アイツというのは拓海だけではなく
親衛隊、家柄や顔だけを見て集まってくる人達。それらのことを差しているように龍亞は思えた
(やっぱり、朝陽は不思議な子だ…
人の本質を見て理解して
けど決して無理矢理に深入りはせず
まるでマリアのように包み込んでくれる…
僕は、君が好きになってしまったみたいだよ、朝陽。)
少しの沈黙の後、龍亞もまた朝陽を強く抱き締め呟いた
「僕は君だけ、朝陽だけなんだ、気にするのも気にして欲しいのも…好きだよ。朝陽」
「藤先輩、俺はッ…」
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