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オドロキモノノキ
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「じゃあ俺はコンセント交換してくるからここ頼んだぞ。」
「了解です。」
幸希は脚立の上から答えた。
「んっ…。よっ。あれ?」
幸希はついでに頼まれた蛍光灯の交換していたが、少し取り付け金具が緩んでるのが見えた。
「こりゃいかんな。」
腰にかけた作業袋からプラスドライバーを取り出し、脚立から少し立ち上がってネジを確認した。
「ここを締めれば…。」
ギリギリの届いた手を伸ばし、幸希はネジを締めた。
(あと少し…)
「あとでレポート出しときます。」
目の前にあった扉が開き、出て来た細身の男性と目が合った。
「あっ…。」
「あっ!わぁっ!」
幸希は驚きのあまりバランスを崩した脚立から足を滑らせた。
(しまった!)
幸希はギュッと目を瞑った。
ガシャン!ガシャン!!
(痛た…くない。)
予想に反して身体に衝撃はなかった。
「いったたた…。」
自分の下から声が聞こえた。
見ると先程の男の顔がすぐそこにあった。
「あぁっ!!すみません!!」
幸希は飛び起き、急いで男の上から退いた。
「だ、だ、大丈夫ですか?」
幸希は顔面蒼白になった。
(顧客の生徒に怪我なんかさせたら…なんてこった)
男は頭を押さえたまま、上半身を起こした。
幸希は恐る恐る手を差し出した。
「あんた、昨日のコンビニの子でしょう?」
幸希はごくりと喉を鳴らした。
(なに…?)
「は、は、はい…。」
「やっぱり。君は?怪我してない?」
(なんでタメ口なんだ…?)
幸希はイラっとするしたが、よくよく見ると男のほうが大人っぽい顔をしていた。
薄い唇に切れ長の目に黒髪がかかり、なんとも色気のある子だった。
「は、は、はい。貴女様は?」
”貴女様”のフレーズに男はくすりと笑った。
(イラっ!)
「大丈夫。君は対して重くなかったし。」
(イライラっ!)
「そうですか!」
幸希は差し出していた手をひき、脚立を片付け始めた。
「じゃあ、すみませんでした!」
脚立を肩に背負い、まだ座り込んでいる男に頭を下げ、幸希はくるりと背を向けた。
「痛っつ!なんか押された胸が痛いんだけど。」
幸希は唇を噛み締め、振り返ると楽しそうに手を差し出す男の姿があった。
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