アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
世の中は意外に狭い?
-
「え〜本当にここの焼き鳥美味しいの〜?」
「食べログに書いてたんだったって〜。」
煙立ち込める店内にキャピキャピした声が入ってきた。
「なんか…おじさんばっかじゃない?」
「あっ、ここだって〜。」
幸希の後ろで若い女の声がした。
「カシスオレンジとかないの?」
(あるわけないだろ!)
椅子を引く音がした瞬間、キツイ甘い匂いがして、幸希は顔を歪めた。
「おっ、若い子。」
木下が遠慮なく顔を上げた。
「やめてください、木下さん。不審者ですよ。」
「金田くん!?俺は雨宮と同い年だし、先輩だよ!?」
「木下さんの方が10は上に見えますね。」
「こいつが童顔すぎなんだよ!」
「やめ…。」
「カンパーイ!!」
後ろのテーブルの元気な声で、大人たちはしゅんとなり、ビールを飲んだ。
「やだ〜〜!マジで〜〜!」
「てかてか、めぐみはどうなのよ〜〜!」
「えっー私〜〜?」
後ろのテーブルの大音量が大人達を圧倒し、4人ボソボソと枝豆を食べた。
「いやー若者は元気がいいねぇ。」
石渡は目を細めて、ビールを飲んだ。
「ぐーぐーぐー。」
「木下さん、寝てますね。」
「おい!キャバクラ行くんだろう?」
幸希は木下を叩こうと手を挙げた時、
「ねぇ?勝谷くんってコンビニでバイトしてるらしいよ。」
(勝谷…)
「え〜どこのコンビニ〜?めっちゃ行きたい!」
「わかんない。勝谷くんってプライベートとか全然、話さないでしょう?」
「うんうん。いつも1人でいるしね。なんか孤高のイケメンってか、カッコいいよね〜!」
「わかる〜。頭良し、顔良し、いうことないよねー!」
「みんな狙ってるけど、飲み会とかも来ないし、なかなか話す機会ないよね〜。学食も来ないし。」
「あっ!でもこの前、勝谷くんが珍しく学食来てた!」
「そうそう、見た見た!しかもなんか作業着の人と食べてた!」
幸希は背筋がヒヤリとするのがわかった。
(まさか…それって…)
「同席しただけじゃない?」
「かもね〜。勝谷くんって近寄りがたい感じするよね。」
''期待したかったんだ”
(もしかしてあいつ友達いないのか…!?)
「雨宮さん?」
幸希は立ち上がっていた。
「君たち、”勝谷くん”の連絡先教えてくれない??」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 151