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楷仁平くんのお願い
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「勝谷く〜〜ん!」
甘えたような低音の声が聞こえたが、里見は顔を上げなかった。
「勝谷くん、無視かな〜〜?」
キンキンに頭を明るくした男が顔を覗き込んできた。
「…」
里見はその顔を一瞥して、鞄を肩に掛けて歩き出した。
「ちょっ、マジでか!?おい!勝谷!」
男は無視する里見の肩を掴んだ。
「…」
「またその目!生ゴミ見るみたいな目しなさんなよ。まぁ、その目がいいっていうMな女子も多いけど。俺はどっちかっていうと…ってまだ喋ってるから!お願い!止まって!!プリーズ!」
ぎゃんぎゃんと喚く為、里見はため息をついて、立ち止まった。
「なんだよ。楷」
里見はようやく派手な頭の楷に向き合った。
里見より頭一つ分が低い為、キンキンの金髪に目が痛かった。
「ようやくこちらを向いてくれましたね、ダンナ。」
芝居たっぷりに里見の胸をついた。
「用がないなら帰るぞ。」
「待った!待った待った待った!タンマ!」
里見は苛つきを表に出すように肩の鞄を掛け直した。
「メンゴ、メンゴ!実はさ〜今度の新緑祭でちょっと手伝って欲しい事あるんだけど〜。」
「…俺は教授の手伝いがあるから、今回の新緑祭には協力できないといったはずだけど。」
(と、いうのはただの言い訳だが…。)
「それは知ってんだけどね。どーしても手伝って欲しい事あるんだよ!勝谷のダンナにしかできない事!」
”ダンナ”の部分が癪にさわるが、両手を合わせて、深々と頭を下げる金髪の楷に里見も「なに?」と答えた。
すると楷はパッと顔を上げて、ヘラっと笑った。
「話を聞くだけだからな。」
里見はその子供っぽく笑う顔に釘を刺すように付け加えた。
「実はさ〜ウェディングドレスショーで新郎役やってくれない?」
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