アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
夏のお嬢さんはビキニが多い
-
「かっ、勝谷くん…。」
雨宮の声に呼び止められるとドキッとする。
「あっ、はい?」
振り向くと雨宮が顔を上げずに砂を指で弄っていた。
「あのさ…今日、俺が来たのはさ、君にさ…」
「勝谷く〜〜ん!」
甘ったるい声が2人の間に入ってきた。
(なんでこのタイミングで!?)
里見は振り向かずにいたが、雨宮は声のした方に首を伸ばした。
「あの…」
「あっ、何でもない、なんでもない。ほら、呼んでるよ!!」
振り向くとピンク色のビキニを着けた子が、大きく手を振っていた。
「可愛い子だなぁ〜〜。ほら、行って!」
「雨宮さんも…」
「俺はいいよ!今日は荷物番ってことで付いてきたんだよ。…あと…」
「えっ?」
「いや、何でもないよ!ほら!!」
しっしっと手で追われ、里見は迷いながらも雨宮から離れた。
人に埋もれながら手を振る雨宮を見ると、その存在は小さく、消えてしまいそうで怖かった。
「勝谷くんって〜〜どんなアーティスト聞くの?」
(これで5人目…)
何のゲームなのか、交代制で女の子たちが里見と2人っきりになるというシチュエーションもこの子で5人目だった。
「洋楽とか?私は⚪︎⚪︎グループのキリタがすごく好きなの〜〜!勝谷くんって、キリタに似てるよね?いわれない?」
「(誰それ?)いや…いわれたことないけど…」
「勝谷くんのほうが、キリタよりカッコイイんだけど!」
そういって里見の腕にすがりついた。
里見はバレないようにため息をついて、空を見上げた。
まだ太陽は傾いていなかった。
「キャッ!!」
浮き輪をつけた子供が2人の前を急に横切り、ぶつかりそうになった。
「あっぶなぁい〜。勝谷くん、あっちの方に行こう。」
女の子は海とは逆の岩場を指差した。
「…海、入らなくていいの?」
「う〜ん。だってメイク落ちちゃうし!泳げないし…あっ、勝谷くん教えてくれる?」
「…あっち行こうか。」
「勝谷くんって〜やっぱり、料理できる子の方がいい?」
「別に…自分で作れるし。」
「え〜〜すごーい!私も食べたいな☆」
岩場へ向かう途中はあまり人はおらず、カップルらしき人がポツポツと海風に当たっていた。
(しかし…)
里見は隣の女の子を見た。
フリルのついた派手な柄のビキニは肌の露出が多く、目のやり場がなかった。
「えへっ☆」
目が合うと待ってましたとばかりに腕に胸を当ててくる。
(ドキッとするってことは俺も男だってことだよな)
「ねぇねぇ、勝谷くんのタイプってどんな人?」
ドキッ!!
「タイプ…?」
「うん☆聞いたことないから!」
「タイプ…」
里見が唇をかんだ時、ふと岩場から聞き覚えのある声がして、立ち止まった。
「…ですよ。雨宮さん。」
その名前に身体がかたまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
76 / 151