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台風前夜
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「雨宮、今日は俺に付き合え!」
台風が来ると言うので、幸希は足早に帰ろうと着替えをしていた。
「木下….天気予報は見たか?台風来てんだぞ。付き合えるわけないだろう。お疲れ。」
幸希はロッカーを締め、木下の横をすり抜けようとした時、腕を掴まれた。
「まだ今夜は大丈夫だよ!」
「は、離せ!何が大丈夫なんだ!?」
「今夜は合コンなんだよ!しかも、女子大生と!」
「はぁっ?」
木下の指が食い込んだ。
「この前の海でアドレス交換した子から、合コンしませんか?って連絡来たんだよ!その子の友達が年上好きで、是非にって!」
「年甲斐もなく…何やってんだよ!大体、お前の友達を連れてけばいいだろう?」
幸希が腕を振っても中々木下は剥がれなかった。
「1人欠けちゃっんだよ!なんか彼女と仲直りしたって!あいつは裏切り者だよ!」
木下は憎々しげに口を尖らせた。
「知るか!石渡さんとか金田君連れてけよ!」
「石渡さんは台風来るからって、早退したらしいんだよ!金田君も現場から直帰するって…お前しかいないんだよ!頼むよ!」
幸希は思いっきり、木下を振り払った。
「もう!大体、お前は竹下さん狙ってんだろう!?」
「….うん、まぁ…でも若い子は可愛いし!本命は竹下さんだぜ?彼女、今日休みだけど…」
「最低だな…とにかく俺は行かない。」
幸希はフンッと言って、歩き出した。
「雨宮ってさ、女に興味ないの?」
幸希はドキリとした。
「…何いってんの?」
「だって、お前ほどなら彼女すぐ出来るだろうに今まで、そんな話出たこともない。」
「…」
幸希は唇を噛んだ。
(会社には知られたくない…)
「なぁ?」
幸希は振り返り、木下に顔を近づけた。
「仕方ねぇな….お前の奢りなら付き合ってやる!」
台風の来そうな強い風の音が聞こえ、幸希は苦い顔をした。
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