アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
価値
-
「後になって初めて気づく価値ってあるよねぇ。」
親父にもらった古着とかさ。
今着ると80's風でいい感じだったのに、あんときの俺はなんで捨てちゃったんだろうねぇ。
あとはメガネいいんちょーとかさ。
中学ん時とか、クラスのお調子者系マドンナに憧れて、眼鏡なんてダセェとか思ってたけど。かわいいのになぁ。そんなこと思ってた俺の方がダセェなぁ。
つくづく冴えねぇやつだなぁ俺。
「お前とか、な。」
なんて、前の席に偉そうに座って口を挟んで来るのは、俺の幼稚園からの幼馴染、駿介。
「は?意味わかんねぇ。俺は俺だろ。俺がお前の友達辞めたとかか?んな気はねぇよ。てかチャイム鳴ったぞ。」
じとっと睨んでからどかどかと自分の教室に帰っていくヤツの後ろ姿を見てたら、ため息が出てきた。
毎日毎日、昼休みの貴重な妄想タイムを邪魔しやがって。
あ、言っとくけど、友達はいるよ、わりとたくさん。一人でぼーっとすんのが好きなだけだ。電波とか言うな。
あ、あいつドア通るとき頭屈めてやがる。背ぇ高ぇからって腹立つなぁ、んなことしないでも頭ぶつかんねぇだろ。
くっそカワイコチャンたちが、さりげない仕草にめろめろめろーんだ。モテるからなぁ、あいつ。あいつのどこがいいんだよ女の子ちゃん達。
無口だし、怒りっぽいし、その上三白眼だろ、睨まれたら超怖ぇよ。そりゃ、ちょっと背ぇ高ぇし、ちょーっと顔はキリリと整ってやがるし、めっちゃ頭いいし、超絶スポーツできちゃうけどさぁ。
だめだ。あいつの短所がこれ以上見つかんねぇ。俺の馬鹿な頭、長所ばっかり思いつきやがる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 45