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不甲斐なさとの決別
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しばらく呆然として混乱する頭を落ち着かせる俺。山野はそんな俺から手を離して、しばらく見つめて、キッと鋭い目で俺に問いかけた。
「お前は山科の事どう思ってんだよ。」
「...俺は、俺はどうだろう...山科の事は大事だし、なんかあったら守ってやりたいし、ちょっと性的に惑わされた事はあるけど、山科の事友達以上には見れねぇ、と思う...」
「じゃあ次なんか山科にされそうになったら、全力で拒否って、それをそっくりそのまま山科に伝えろ。」
なんで。
「いい加減に考えろよ!
...考えることを先延ばしにしようとすんな。てめえの悪い癖だ。
ない頭で考えろ。
散々思わせぶりな態度されて、最後に振られるやつの気持ち、わかるか?
わかんねぇだろう、なぁっ。てめぇは、馬鹿、だからっ、なぁ。」
...そっか、俺、馬鹿だけどそれはわかるよ。俺山科に悪いことした。
山野、泣いてる。きっと山野は、山科の気持ちが泣くほどわかるんだ。山野も同じ思いしたことあんだろうな。
「山科のこと大事に思ってるのはてめぇだけじゃねぇよ!俺だってなぁ!
俺にとってもあいつは大事な友達だ。これは山科の事を思って言ってんだよ。
てめえも、山科に言うのは辛いだろうが、山科のお前から受けた苦しみはそんなもんじゃねぇ。きっちりケジメつけて、誠心誠意謝罪しろ。
わかったんなら、てめえの大事な山科をこれ以上苦しめてやるな。...じゃないと取り返しつかないことになるぞ。」
最後だけ柔らかい口調になって、怒鳴って悪かったって言って帰ってしまった。
山野が来てくれたおかげで、モヤモヤが一つ晴れた。根本的に解決したわけじゃないけど、俺の心は決まった。やっぱり山野はすごいよ、人のこと良く観てるし、山科の気持ち、俺の気持ち、両方を考えてくれてる。
俺も、ふらふらしてばっかじゃ駄目だ。ずっと4人でいたいっていう俺の気持ちは変わらない。だからこそ、山科をこれ以上傷つけないためにも、大事な山科を失わないためにも、俺がちゃんとケジメつけなきゃなんない。
山科は、俺が突き放すようなことをしても、それでも俺らといてくれるんだろうか。
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