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本当のおしまい
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もう、懐かしくて、嬉しくて、名残惜しくて、4人共誰も1歩も店から出ようとしなかったけど、流石に閉店となると出なくちゃいけない。
まだ何日かはみんな実家にいるみたいだから、次会う約束をしてその場で解散した。
俺と駿介は実家が隣りだからもちろん同じ方向、なんだけど。...わかるよね、今日は家には帰らない。
話すことはいっぱいあるけど、それは2人きりで話したかったから、とりあえず駿介に切り出した。
「駿介、今晩は「一緒に過ごそう。」
どうやら駿介も同じ事を考えていたらしい。クスっと笑い合って、俺がホテルをキャンセルした。やっぱり駿介を立てないとね。
何でかって?そりゃあもちろん、駿介が男やk...おっと、良い子は聞いちゃいけないよ。...まだ経験はないけど!したことないけど!あぁ想像しただけ俺のアソコが。駿介相手に勃つなんてね、長年の妄想の賜物かな、俺も立派な大人になったもんだ。
得意の妄想で、無言で歩いてたら目的地に着いていた。勿論すぐにどうこうするってわけじゃないけど、いつもと違うシチュエーション、そしてこれからするであろう事を想像して緊張する。
駿介は...平気そうだね、さすが鉄のハートだ。そんな頼り甲斐のある駿介を見て安心した俺はようやく口を開く。
「駿介、「はじめ、」
駿介も話そうとしてくれてたんだね。照れるけど嬉しくて、顔を見合わせてまた微笑み合った。
なんだか、こんな空気感すっごく新鮮だ。これなら、すぐに新しい関係を始められそうな気がする。
「8年間、待たせてすまない。」
「謝ることないよ、原因は俺にあったんだし。俺らは8年間お互いプラトニックな関係に耐えた、ってだけだ。俺は、あのキスした日、駿介に触れたくてしょうがなかった。それが、今なら出来る。」
昔と違うのはそれだけだよ。気持ちはあの時から変わらないんだから。
「あの時言えなかった事を言わせてくれ。はじめ、愛してる。はじめを幸せにしたい。今の俺ならそれが出来る。」
しっかりした口調の駿介に、8年間、いや、26年間の恋がようやく成就した実感が込み上げてきて、涙がポロポロこぼれた。
泣かないって決めてたのに。あの時ならともかく、いい歳した大人が泣くなんてみっともない。俺は涙をぐいっと拭いて、駿介に向かい合った。
真剣な目で俺を見てる。あぁ、お前は本当にかっこいいよ。いつ見てもかっこいい。昔の俺は、強がって認めようとしなかったけど。
「駿介、俺も駿介がいい。駿介が好きだ。」
あの時と同じことば、でも今度は決して行き違える事ないことばで、想いを伝える。
それを合図に、どちらともなく顔が近づく。
今度はお互い触れ合いながら、真っ正面からキスをしよう。
俺達はようやく、幼馴染から一歩進んだ。
その先は、また別のお話。
だってもう俺は、馬鹿な無自覚くんじゃないからね。
後日談、終わり☆
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