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シュガーレイン~月山
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「う、わ…ホントだ」
鏡をまじまじと見つめ言った。
びっくりするくらいはっきり残った泣きあとに腫れた目元は酷く恥ずかしい。インターハイでサーブ失敗したときよりも断然コッチの方が恥ずかしい。
この赤面症も泣き虫なところも、治したいのにな。
なんて考えていた。そんなことをして治るわけではないのは自分が一番よくわかっている。
部屋に戻り腰を下ろしながら言った。
「ホントに真っ赤だったね」
「うん」
彼女が居ないとわかった今、他愛もない会話が心の支えになる。
「ねえ、山口」
いつも通りツッキーは気だるそうに俺を呼ぶ。今はそれすら嬉しくてニヤニヤしながら返事する。
「何~?」
「好きだよ」
「…、ブッ?!」
「うわ、汚っ」
浮かれてジュースを飲んだ瞬間、意味を理解して吹き出した。
「嘘!」
「ホントだよ」
「嘘だぁ~!」
「チョット!?急に泣かないで!」
嬉しさとフワフワとした実感のなさに思わず号泣し、ツッキーは慌てていて。
ある意味、ドタバタだったけど嬉しいなぁ。
今日の涙はいつもの涙よりちょっとだけ甘かった。
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