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お話は終焉へ
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「だから、それはただの噂ですよね?俺は緒方に勉強をおしえていただけです」
「ではこの写真は説明されるんです!」
「それは…っ!」
恐れていたことが実現してしまった。学校にバレるのがこんなにも早いなんて、
弘はまだ16で、高校生活を棒にふるには早すぎる。俺が守ってやんねぇと。前世でなんもしてやれなかった、前世で涙も拭いてやれなかった。俺が守ってやる。大丈夫だ、弘。
ぎゅ、と拳を握るのと同時に、校長室のドアが空いた。澄ました顔で部屋に入ってきたのは弘。まさか弘まで呼び出されていたなんて、つ…と背中に汗が伝う。
「噂の写真ってどれですか」
部屋に入ってきた弘は俺の顔を見なかった。その代わり校長を真っ直ぐ見据えてそういい放つ。…すっげぇやな予感がする。校長が手に持っていた写真を奪い取り、内容を確認する弘。ぽりぽりと頬を掻きながらその写真に全て目を通して、「ははっ、」と笑った。
…弘?
「一枚目?、先生の家から先生と俺が出てくる写真。これは夏休みのっすね、勉強わかんないとこ教えて欲しいってしつこく言ったら家にあげてくれただけ。二枚目?、先生の車に俺が乗り込むとこだけど、これもたまたま先生が通りかかったから俺が乗せてってせがんだだけ。三枚目?このキスしてる写真ね。あっは、綺麗に撮れてて嬉しいよ。…俺が先生を犯したんだ。このまま、こうやってキスをして、無理矢理部屋に連れ込んだ。嫌がる先生を殴って気絶させた。それからは俺は好き勝手、この体を味わったよ?…ねぇ、今の話きいてて、誰が悪いとおもいます?」
しーん、と静まりかえる部屋の中で、一人背筋を伸ばして演技をする弘。お前、何を言ってるんだ、そんなことしたら、
「じゃあ、君は宮園先生との関係を認めるのかね」
「いいえ?俺が強姦したことは認めますよ、宮園先生かわいそーだし。俺にケツ掘られて、誤解されて、退職とか。」
「…宮園先生、事実ですか?」
弘、
「もう二度と言わないつもりだったんだけどね。サヨナラ、…先生。」
振り返った弘は、出会った時と同じ顔をしていた。またどこかに行くつもりなのか、また俺を置いていくのかよ。そんなの許さない。俺は何の返事もしなかった。そのかわり、かつかつと歩いて弘の目の前に立つ。
「……ふざけんじゃねぇ。」
いつもそうだ。いつもヘラヘラと笑って嘘をつく。お前が嘘をつくとき、それは必ず「自分を守る」嘘だった。自己防衛の激しいやつだよ、お前は。そんなお前が鎧を投げ捨てて、剣を握った。俺を守ろうとした。ありがとな、でも、俺お前を愛しちゃってるからさ。
もう離したくねーんだわ。
「んむ、ん?!ん!」
弘の唇に自分の唇を重ねる。周りが唖然としてんのは分かってる、弘だって焦って俺の肩をドンドンと叩いてくる。その両腕を掴んで、抵抗出来ないように抱きしめながら、なんどもキスをした。
弘、お前なんか勘違いしてるよ。
俺は教師でいることなんてこれっぽっちも大切じゃねぇ。お前の男でいたいんだよ。お前が居なくなることだけは、嫌なんだよ。
「んっ、ぁ、んんっ、ちょ、ゆ、すけ、ぁ」
ちゅっ。ちゅ
最後に弘の広いデコにキスをする。なあ、ごめんな?精一杯戦ってくれようとしたんだよな、でもさ、俺、もうおまえに「サヨナラ」なんて言われるぐらいなら、こんな立場なんか要らねぇ。
俺が責任とってやっから。予定よりちょっと早くなるけどさ、焦げたサバでも焼いて、風呂わかして、俺の帰り待っててくれよ。
「俺も同罪だ。」
「っ、なにして…んの?ねぇ、同情してんなら要らないから!」
「弘。もういい。…愛してるよ」
弘の髪を撫でる。静まり返った部屋の中、俺は泣きそうな顔をする弘のぶっさいくなツラをみて、笑った。
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