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羨ましい憧れ。
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「たてる?荷物、僕が持つからぁ。」
「あ、ありがとうございますっ...」
僕は赤月さんの後ろをついていき、玄関まで行った。
歩くたびに腰が悲鳴をあげる。
赤月さんは僕の荷物を全てもってくれた。
そして、外にでて、赤月さんと並んで歩く。
何も会話がなかったが、いきなり、赤月さんが口を開いた。
「僕さ、まさきくんがうらやましかったんだぁ。今まで酷いこおしたりしてごめんね。あきらが僕のこと好きじゃないことくらいわかってた。ただ、それを知りたくなくて。...まさきくんになりたかったっ...!」
そう言って赤月さんは泣き出した。
僕は、突然のことで混乱した。
赤月さんは本気で兄さんのことが好きなんだ。
「僕、赤月さんのこと尊敬します。なんでもズバッて言えて、素直で、兄さんのこと全部わかってて。正直、兄さんと赤月さんが並んで歩くとお似合いで、悔しかったんです。」
「本当ぅ...?ありがとっ...!でも、諦めるから。まさきくん頑張ってね。」
「わあっ...!」
そう言うと、赤月さんは立ち止まって、僕の背中を押した。
僕が転びそうになるところを誰かが支える。
僕の大好きな人のにおい。
ゆっくりと上を見上げた。
「まさきっ!はぁっ!はぁっ!...よかったぁっ...!」
兄さんは僕を強く抱きしめた。
兄さんの心臓の動きが僕にまで伝わる。
やっぱ好き。
振り返ると赤月さんはいなくなっていた。
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