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幸せになれない。
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藤原碧という、俺の好きだった人は、なんだかんだ生徒のガキンチョとうまくいったようで、「付き合った。」というとても素っ気ないメールが届いたので俺も、「良かったね」とだけ返信してやった。
俺は自分が思っていたより嫉妬心が強いらしい。気持ちは確かに薄れては来たが、やっぱり気になるし、たまに苦しくもなる。
そしてそういう日には必ず、誰かを誘う。
碧を好きだった時は、実は碧以外とはしてなかった。汚れた自分を、あいつには抱かせたくなかったから。
お互いに好きでもないくせに、愛の行為はできるなんて、人間うまくできてるもんだ。
こんなことしてたら一生、幸せになんてなれないんだろうな。
いや、まずゲイが幸せになろうなんてのがおかしいのかな…
ああだめだ、全然気持ち良くない…
「もうやめよっ」
こんな言い方しかできない、だって俺、猫かぶりだもん。いつもこうやって、自分で自分の首を絞めてるんだ。
「はあ?今やめるとか言うな…」
「やっ!やめてっ!」
「ちっ、じっとしてろ」
「んんっ」
たまにいるんだよなこういうやつ…
ああ…自分が情けな過ぎて涙出てくるや…
「…はあっはあっはあっはあっ」
パァンパァン
俺が泣いてるのなんてお構いなしに、相手は腰を打ち付けてくる
「んーっ!んんっ」
口を塞がれて喋れない
痛い…体も痛いけど、心の方がもっと痛い…バカだな俺…こんなん、気持ち良くもなんともないじゃん…
涙は溢れるばかりで全然止まらない
「あ?何泣いてんだよ男のくせに…クソビッチがよ…くっ!!」
「んんんっ!」
もうやだこんなやつ…
俺の王子様とかって居ないわけ…?
「はあ……………じゃ、またな」
彼はさっさと服を来て出ていってしまった
もうあいつとは絶対にやらない…
「あーあ…痛ぇ…」
俺はシャワーを浴びながらも、涙が止まらなかった。
放ったはずの言葉は、掠れて自分の耳にすら届かなかった。
そういえば…キヨは俺が泣いてても、男のくせにとか…言わなかったな…いや、でもそれは俺の本性を知らないだけで…こんなやつだって知ったら嫌われるに決まってる…
俺が泣いたってわかったら、またこないだみたいに心配してくれんのかな…なんておこがましいか。
自分でも何がしたいのかわかんないや…
ただキヨに……会いたい……
はっ!!
何考えてんだ自分!
碧に好きな奴出来たからって、気持ち切り替えるの早すぎだろ!
ああ…もうこんな気持ち、忘れてしまおう。
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