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誘導
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「や、いやだっ…あっ」
放課後の誰もいなくなった学校。
暗い保健室の中で、俺は今犯されてる。
「嫌だって言ってる割に体は悦んでるみたいだけど?」
覆い被さるこの男がクスリと余裕の笑みを見せ、俺の性器を指先で弄ぶ。
体が震えて、喉の奥から自分じゃない声が溢れて止まらない。
「ひっ……う、あぁあっ」
身体がビクンと跳ね上がり、やがて絶頂に達しようとした時、ぱっ と手を離されてしまう。
「あっ……な……んでっ…」
寸前で止められてしまい、もどかしさと苛立ちが押し寄せる。
俺を見てまた笑みを零すこいつの瞳が、窓の外から入り込む夕日の光を受け怪しく光った。
「イきたい?なら、ちゃんと言わないと」
必死に逃げようとして体の向きを変えベッドに這いつくばる。
そしたら後ろから覆い被さるようにして、こいつは耳元でそう呟いてくる。
その声が頭に響いて、腹のあたりがゾクリと震えた。
「っ…だ…誰が言うか…」
言葉とは反対に、体は素直だった。
どんなに意地を張っても、この状況で逆らえない事は分かっている。それでも、俺は必死にこいつに抵抗してやる。
「ほんと……強情だな」
「つっ‼︎ひゃあァッ‼︎ああッ」
誘うような甘い声が鼓膜を揺らした。
後ろから耳を舐められながら、性器を強く擦られ身体が更に熱くなる。
今度こそ、本当にもう……
「あ…ぅあ……は、あっ」
「ほら……早く言わないとまたやめるよ?」
意地悪くそう言葉を落とし、根元を強く握られ体が大きく跳ねる。
こいつの思う壺だってのは分かっているのに、出したいのに出せないもどかしさに耐え切れず、とうとう涙を零してしまう。
「も、も…だめ…」
「何?どうしたい?」
「だ…出したい……」
「それから?」
絶対、言いたくないのに。
一度知ってしまった快感は俺の中に根付いて、こんな風にこいつを求めるように俺自身を変えてしまった。
「い……イキたいっ…」
「イキたいだけ?」
こいつが俺を追い詰めて、追い詰めて。
俺の選択肢を誘導していく。
「お…まえの…それ……」
「お前?……前にも言ったよな?新…」
チュルっと耳の中に舌が入ってくる。
直に響くその恥ずかしい音に、とうとう俺の理性は飛んだ。
「欲しい時の強請り方。教えただろ?」
まさか、あんな事があったせいでこんな事になるなんて……
「な……なるみ…センパイので…イカせて、下さい」
……思ってもみなかった。
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