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下校途中で
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あの日野という男が突然現れて
また生徒会が慌ただしくなった
あんなにハイテンションな奴は
部長さんだけで十分なのに・・・
「新?」
「ふぉっ!」
さっきまでの出来事を悶々と考えていると
隣から眼鏡が俺の顔を覗き込んできた
「な、なんだよ」
そ、そうだ・・・
あの後、会長が巨人と二人で話があると言っては
俺達を先に帰らせてくれたんだ・・・
そして、今こいつと・・・
「何考えてんの?」
な、並んで帰っている・・・
「べ、別にっ」
くそっ!そうだよっ
あの巨人のせいで今朝あった事を
すっかり忘れちまってたよっ
「・・・ふぅん」
「・・・・」
今日の朝、俺はこいつに告白した。
「ならいいけど」
そして、俺達は・・・
その・・・両想い?だったので
つ、付き合う事に・・・なったんだよな?正式に
「お、おう・・・」
やばい。
意識したらまた心臓がバクバクしてきた
「・・・・・」
眼鏡は、前と変わらない感じで
何一つ緊張もしてないようでどこか落ち着いていた
なんだよ・・・
緊張してんの俺だけかよ・・・
「・・・・寒っ」
学校を出て、暫く歩いた交差点で
立ち止まった時、少し強い風が吹いて
その冷たい風に俺は体をブルっと震わせた
「寒くなってきたな」
そんな俺を見て、眼鏡はボソっと呟いた
「お、おう・・・寒いな」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・」
・・・・なんで沈黙
なんだよ・・・変にまた緊張するだろが
「お、おい何かもっと」
「ん。」
もっと喋れと言おうとした時、
丁度信号が青に変わって
その時、何やら眼鏡が俺の方に
左手を出してきた
「へ?」
なんだ?
なんだこの手は・・・
「??な、なんだよ?
俺今飴しか持ってねぇぞ?」
眼鏡の差し出した手が何か分からず
とりあえず何かくれと言われているような気がした俺は
鞄に手を突っ込んで中から飴を取り出した
「ほい」
「・・・・」
ポンっと、眼鏡にレモン味ののど飴をくれてやった
「・・・・・」
「・・・・・?」
その飴を手に取った眼鏡は
目を細めて俺を見た後、ふっと笑った
「な、なに笑ってんだよ!?」
「ふっ、・・・いや、別に」
「はぁ?」
なんだ?のど飴舐めてんのかこいつ?
少しだけ笑った後、眼鏡はまた
手を差し出してきた
「は?まだいるのかよ。レモン味しかねぇぞ」
「ちげえよ。飴じゃなくて、手」
「手ぇ?」
そう言われて、指を差された自分の手に目をやった
「寒いだろ」
「っ!?」
不思議に思い自分の手を見つめていると
眼鏡は俺の手を掴んでは、ぎゅっと握り締めてきた
「ちょっ!なにっ!?」
「お前、可愛い過ぎ」
「はぁ??」
少しだけ嬉しそうに笑う眼鏡の横顔と
俺の手を握ったまま歩き出したこいつを見て
「・・・・あっ。」
さっきのこいつが差し出してきた手は
手を繋ぐという合図だったと気付いた
「・・・っ・・・は、恥ずい」
勘違いして飴なんか出した自分が恥ずかしいっ
「ひ、人が見てる・・・」
「いいよ。そんなの」
「っ・・・・」
眼鏡に手を繋がれたまま歩き出すと
さっきまで寒かった体が一気に熱くなってきて
「新、手に汗かいてる」
「・・・・う、うるせえ」
また心臓が煩くなる
余裕そうに笑うこいつの手を、ぎゅっと握り締めると
こいつもまた握り返してくれた
その度に、胸がきゅっとなって
「・・・・新の手さ」
「・・・・・な、なに」
体の芯から、ポカポカしてくる
「・・・あったかいな」
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