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眼鏡と巨人
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「「勉強会??」」
生徒会室に、俺と眼鏡の声が響いた
あれから会長は椅子に腰を掛けて
会長机に肘を付き、にこっと笑って
俺達に、巨人の勉強を見てやってほしいと言ってきた
って・・・こいつ年上だったのかよっ
「で、でも俺達だって勉強が」
そうだよ・・・
もうすぐ中間テストだぞ?
それに、眼鏡はともかく一年の俺が何でそんな事
「大丈夫だよ。日野を対象とした勉強会は
テスト期間までの一週間だから。」
一週間って・・・
俺その一週間前から勉強する派なのに
「姫ぇ〜お願いやぁ!俺に知識をくれぇ〜!」
「ちょっ!わっ!く、来んなよ!」
いきなり巨人が俺に抱き付いて来ようとして
眼鏡が巨人の顔を掴んで引き離してくれた
危なかった・・・っ
くそこの巨人まじで鬱陶しい!
「で。この馬鹿にたった一週間で
どう教えるつもりだよ。」
「ば、馬鹿とはなんぞ!失礼なっ」
「馬鹿は馬鹿だろ」
「くっ、ナルは言う事がちとキツイぜよ!」
巨人は掴まれた顔から
必死に眼鏡に向けて睨みを効かしていたけど
それの倍、恐ろしい程の目つきで
眼鏡は巨人を睨み返した
つか、眼鏡絶対めんどくさがってる。
声怒ってるし・・・
「考えたんだけど、それぞれの得意科目を
基本マンツーマンで日野に教えて行こうと思うんだ」
そんな二人に目もくれず、会長はそう口にした
そして、会長の言った言葉に俺と眼鏡がポカンとする
「・・・え??」
マンツーマン??
この巨人と二人きりになるのか?
めちゃくちゃ嫌だと思っていたら
俺の隣から黒いオーラが発せられた
まぁ眼鏡から
「ただし、新と大崎が担当する時は
僕も同席させてもらうよ。」
そんな眼鏡を見て、会長は笑ってそう言った
「は?新ん時は俺が同席する。」
「・・・そう言うと思ったよ。
いいよ。新の時は成海に任せるよ」
会長は少しため息をついて、背もたれに背中をつけた
め、眼鏡も一緒なのか・・・
ならまだ安心出来そうだな
ふっと肩を下ろしていると、また会長が口を開く
「新、得意科目は何?
もしくは、一番成績のいい教科」
「え?・・・」
得意科目?・・・
そう聞かれて、とりあえず全部の教科を思い出し
最初にピンときた物を言った
「れ、歴史です」
他の教科より倍勉強したしな・・・
(武将などの生き様を知るのが好きだから)
「よし。なら歴史は新に任せるよ」
「ふぇっ??えっ、でも」
いきなり決定され、会長はその事を
紙にメモし出した
てか、教えるっつっても
俺そんな誰かに教えた事なんてねぇしっ
だ、大丈夫なのか?
「で、成海には英語と物理をお願いしたいんだ」
「はぁ?なんで二つも教えねぇといけねぇんだよ」
「いいから。決定ね」
嫌がる眼鏡を他所に、会長はまた紙にボールペンを走らせた
まぁ、眼鏡は確かに英語力ハンパねぇから
その判断は間違いないと思う。
「大崎には国表を任せようと思っている。
残りの教科は僕が担当するよ。
勉強の時間帯スケジュールも組んでおくから。また後日渡すね」
「は、はい・・・」
「チッ、めんどくせえ」
話がひと段落着きそうになった時
何やら眼鏡の隣からおいおいと泣く声が聞こえた
「っ、うっ、ううっ」
目を横にやると、それは巨人だった
「な、何泣いてっ」
「いやぁだってっ、こんな必死に俺の事思うてくれてっ・・・
俺、俺っ、感激で涙出てしもうたっ」
「はぁ??」
な、涙って・・・どんだけ涙脆いんだよ
「日野、鼻水落とさないでね」
「い、いっぢゃんっ・・・うぅっ」
会長がにこっと笑うと、その笑顔を見た巨人は更に涙を零した
「はぁ・・・つか、お前は得意科目ねぇのかよ。」
そんな巨人を見兼ねた眼鏡は、ため息をついて巨人にそう訪ねた
「お、おお!あるぞ!」
すると巨人はピタリと涙を止めて
俺達の方を向いてドンっと胸を張った
「保健は得意や!!赤点取った事無いぞ!」
そして、自信満々に保健だと言った。
生徒会室の空気が何やら冷たくなる
「ふっ、まぁ馬鹿はそんなとこか」
口を開いたのは眼鏡。
眼鏡の言った事にまた反応したのは巨人。
「ナル!いい加減俺を馬鹿にするのはやめい!
そういうお前は保健何点なや!?」
結局何故か、また二人の言い合いが始まる
「お前みたいなインテリ眼鏡は
文系とか理系とかそっち方面しか頭発達してないやろが!
俺は地元で歩く保健教科書言われた事あるんやぞ!
そんな俺はお前よか頭えいわ!(保健だけ)
さあ何点やったかゆうてみぃ!」
眼鏡を指差して、巨人は大声でそう言った
その巨人の指を眼鏡は掴んで、ギリギリと上に曲げ始めては
にやりと笑って顔を上げ
「満点、だけど?」
どす黒い笑顔でそう呟いた
「いっ痛いっ痛いナル!指を離せっ!」
「歩く教科書なんだろ?お前は満点取ったのかよ?」
「と、取ってない!取ってません!痛いっ痛いっ
俺が悪かった!保健の王はお前やっ!
お前に譲るから指離してくれっっ」
なんだよ保健の王って・・・
指を捻じ曲げられ喚いていた巨人から眼鏡は手を離して
やがて俺の方を見て何故かドヤ顔をされた。
「この俺が、保健で負けるわけねぇだろ」
「・・・・・。」
いや、そこ張り合ってどうすんだよ
くそえろ眼鏡が
「はぁ・・・もういいかな?
少し静かにしてもらえる?」
その時、やっと会長が声を掛けてきた
「日野、指は大事にしてね。」
「い、いっぢゃぁぁああああん!(泣)」
巨人は会長に抱きつこうとしてたけど
会長はボールペンの先を巨人の方に向けて
顔すれすれでそれを止めた
巨人はすぐに抱き着くのをやめて会長の隣にちょんっと立った
「少し大人しくしててね。」
にこにこ笑顔でそんな事するから
ある意味眼鏡より怖い。
「ところで日野、君の保護者は
いつになったら顔を出しにくるの?」
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