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あの男共に掴みかかり氷崎の話を聞くと
土屋、川下、大崎、そして秋人の四人が
氷崎に捕まっていると聞き出せた
数十人の不良を引き連れた氷崎の事を聞き
俺はすぐに鷹中の奴らを集めたけど、
集まったのは3分の1程度の人数
他のダチ達は出て来れない程の手傷を負っていた
みんな氷崎にやられたと口を揃えて言っていた
何で俺に言わなかったと問い詰めると
秋人に口止めをされていたと言われた
秋人は、俺に知られない様に
この件を片付けようとしていた・・・
俺は秋人に守られてたんだ
その秋人は捕まってしまった・・・
大崎から連絡があった後、すぐにここに辿り着いた
「渋谷ぁ〜、久しぶりだな」
「ゴホッゴホッ・・・ゔっゲホッ」
大崎の首を絞めていた氷崎は
俺の声を聞くとすぐに大崎から手を離し
俺の方へと振り向いた
「なっ!?」
だけど、次に目に飛び込んで来たのは
心臓が止まりそうになる程の悲惨な光景
「あき・・・ひと?」
氷崎の足元に倒れこんでいる血まみれの秋人の姿
・・・なんで?
大崎は無事だって・・・・
「しぶや・・・く・・・」
大崎は俺を見た後、目に涙を溜め
秋人の背中に手を添え体重を掛けていた
背筋がゾクっとした・・・
これ、全部秋人の血か?
「お〜お〜、まだ動ける奴ら居たのか」
「っ、てめえ」
氷崎は俺が連れてきたダチを見てそう言った
「新さんっ・・・秋人さんが」
「救急車呼べ」
「え?」
「早く!」
「は、はいっ!」
後ろに居たダチにそう言って
俺はまた足を中へと進め氷崎に近付いた
部屋を埋め尽くしていた不良共が
立ち上がって中央に集まってくる
20人・・・いやそれ以上居る
「トップ!」
「土屋・・・」
声のする方へと視線をやると
土屋と川下の姿が目に入った
川下も相当痛めつけられてる
「今日は風邪じゃねえのかよ?」
「・・・っ」
こいつは、一体何の為にこんな事を・・・
「土屋さん!今助けます!」
「カワちゃんっ!!っくそが退けゴラァア!」
喧嘩が始まり周りが殴り合う中
俺と氷崎の間では睨み合いが続いている
すぐにでも殴りたい
殺したい程だ
「・・・くっ・・・」
「・・・・」
だけど・・・
「なんだあ?まだ喧嘩はしねえとか
ふざけた事考えてんのか?」
「っ!・・・氷崎っ・・・」
そんな事、考えてる暇があるか!
「っと・・・おいおい、急にどうしたよ」
「!?」
思いっきり殴りかかると
氷崎は俺の拳を簡単に受け止めた
「渋谷ぁ、これくらいでもまだ足りねえのかよ?」
「っ・・・は?」
拳をギリギリと握り締められ
そのまま腕を引かれ
氷崎は俺の腹に膝蹴りを入れた
「がはっ」
重い衝撃が体に響く
「菅原だけじゃ足りねえんだろ?」
「・・・っ、な・・・んだと」
手を離され、俺はそのまま腹を抱え後ろに下がった
そして氷崎はポケットから何かを取り出した
「!?・・・お前っ」
写真・・・写っているのは・・・
「お前の事は調べたぜ。こいつらの事もな」
なんでお前が会長と大崎の写真を
「あ〜、そうだ。あの眼鏡君はどうしてるよ?
あいつには色々と礼をしたいんだけどよ。」
そう言ってまた氷崎は写真を取り出した
今度は眼鏡の写真・・・
「ぐっあ・・・」
一瞬動きを止めてしまい
その瞬間氷崎が俺に掴みかかってきた
「氷崎っ」
顔を掴まれ、鋭い目つきで睨みを効かされる
「いつまでいい子ちゃん振るつもりだよ。
本気で来いよ。こんなもんじゃねえだろ」
「くっ・・・てめっ・・・」
「それともあれか?こいつら全員潰したら
お前は本気になるのか?」
「・・・は?」
「可哀想だよなあ。お前が平和ボケしてる間に
菅原はこんな事になっちまってよぉ」
そう言って氷崎は秋人に視線を落とした
ゆっくりと秋人の方を見ると
大崎が傷口を必死に止血しようとしている
体をガタガタ震わせながら
秋人の名前を何度も呼んでる
「・・・・」
秋人・・・
「まぁ、このお友達も可哀想だよな。」
「??」
「お前と関わっちまったせいで
この真面目君みたいな目に合わされるんだからよ」
今日みたいに、会長や眼鏡も襲うつもりなのか?
「渋谷ぁ、前に俺に言った事覚えてるか?」
「・・・・・」
「俺達じゃ菅原はやれない?ぎゃはははっ!
じゃあなんだよこの状況は!」
「・・・・」
「菅原が何て言ったか分かるか?
お前には指一本触れさせねえだとよ!
じゃあ今はなんだ?お前に触れてるこの手はなんだ?ぁあ??」
「・・・・っ・・・」
・・・俺が・・・
「お前も菅原も口だけじゃねえかよ!」
「黙れ・・・」
俺が、ちゃんと秋人と一緒に居てやれば
「腑抜けのお前を助けてやりてぇんだよ。
もう嫌だろ?自分のせいで周りの人間がこんな目に合うのはよ」
「・・・・・・俺の・・・せい」
「こんなもんじゃ済まさねえからな。
お前が目ぇ覚ますまで
何度でもお前の周りの人間をこうやって襲ってやるよ」
「・・・・っ・・」
「前にも言ったよな?・・・
てめえが涼しい顔して生きてるなんて許す訳ねえって」
「ぐっ・・・ひ、ざき・・・」
手に力を込められ顔の骨が軋む
氷崎の淀んだ瞳は狂気に満ちてる
こいつはどこまでもやるつもりだ
俺に関わる全ての人間を・・・消すつもりだ
「渋谷君っ!!」
「!?」
大崎の大きな声が部屋に響いた
視線を落とし大崎を見ると
ボロボロと涙を流して口をパクパクさせていた
「あ、秋人君がっ秋人君が!」
「ぁき・・・ひと」
「脈が弱くなってるっ!」
「なっ・・・」
「秋人君!駄目だよっ!秋人君!!」
秋人・・・嘘だろ
「まぁ、あれ程血ぃ流したらもう駄目だろ」
「秋人・・・」
嘘だろ・・・嘘だろおい
「・・・っ、はぁ・・・っ」
苦しい・・・なんだ・・・
息が上手く出来ない
「秋人君!!嫌だよ!起きてよ!」
大崎は泣きじゃくりながら
秋人の体を揺さぶってる
ぐったりとなる秋人は起きる気配はない
「秋人、君・・・秋人君っ・・・」
嘘だ・・・そんなわけない
秋人が死ぬなんてそんな訳ない
「はぁっ・・・はぁ・・・っ」
頭が痛い 息が出来ない
「あーあ。全部お前のせいだな。
平和ボケなんかしてっからこうなったんだよ」
俺が・・・秋人についてさえいれば
「嫌だよ・・・いや、だよ・・・
・・・秋人君・・・秋人君っ・・・」
秋人はこんな目に合わずにすんだ
大崎が泣くこともなかった
「次はどっちにしようかなぁ。
この金髪男か。眼鏡野郎か・・・」
俺が会長達と関わりさえしなければ・・・
こんな事にはならなかった
「特に眼鏡野郎はよぉーく痛めつけてやらねえとな。
あの男には腕を捥がれそうになったからよ。
お前の目の前であいつの手足ぶった切るのはどうよ?な?
楽しいと思わねえか?」
「はぁ・・・ひ・・・ざき・・・っ」
そんな事はさせない
させてたまるか
「本性現せよ。渋谷」
「はぁ・・・っはぁ・・・」
駄目だ頭が痛い・・・ズキズキする
「昔のお前はこんな事で苦しむ事もなかったよな。
じゃあ今はなんで苦しんでる?」
「や、めろ・・・っはぁ」
「邪魔なお荷物共を抱えちまったからだろ」
・・・・違う
「はぁっ、はぁ・・・くっ、はぁっ」
俺にとって・・・
俺にとってあの人達は・・・大事な
「安心しろ全部壊してやるよ。楽しみだなあ。
お前のツラがどんどん歪んで行くとこを
想像するだけでイケそうだわ。」
「・・・・・」
大事な・・・なんだ?
「なぁ・・・しぶッぐぁっ!」
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