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喪失感
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何が起こったのか分からない
なんで俺の事が分からないのかが分からない
新に拒絶されたまま病院を出て
混乱する頭を整理させようと
街をフラフラ歩いているがイラつきが収まらない
こんな事になってなければ
今頃俺の家であいつと一緒に居れたのに
「・・・・チッ」
さっきからむしゃくしゃする
胸がギシギシと締め付けられて苦しい
冷静になろうとしてもなれない
あいつの拒絶の仕方は今までとはまるで違う
本気で男に触れられるのを拒んだあいつを見た時
俺自身を否定されてるようで苦しくなった
大切な奴を犯してる気分になった
だから触れる手を止めて新から離れた・・・
あれ以上は出来なかった
俺の名前すら知らないと言ったあいつを
あのまま犯すなんて
そんな事はしたくなかった
「新・・・」
昨日まで当たり前のように俺の隣に居た奴が
随分遠くに行ってしまったみたいだ
ついさっき起こった事がまだ信じられない
悪ふざけであってほしかった
病院を出て、日が暮れるまで俺は街を歩いた
街中カップルや子連れの親達が楽しそうに笑う声で賑やかだった
だけど周りの声なんて何一つ聞こえなかった
歩いても歩いても
頭の中はあいつの事しか考えられなくて
大きな木に施されたイルミネーションを見ると
昨日あいつと見たイルミネーションを思い出した
新はずっと何かを考えてる様な顔してたけど
俺が名前を呼んだら、顔真っ赤にして俺の方を見てきた
俺を好きだと言ってるあいつの目を見るだけで
それだけで俺は安堵することが出来た
「・・・・」
隣にあいつが居ない
体が半分欠けた気分だ
喪失感だけが募って胸が痛い
もしもこのままあいつが俺の事を思い出せなかったらと考えると
また自分の中で焦りが生まれる
そう考えながら歩いていると
もう夜23時になっていた
ほんと、どれだけ歩いたんだ。
体中冷え切ってるのに全然気にならなかった
【〜〜〜♪〜〜〜♪】
「・・・?」
いい加減もう帰ろうかと思っていた時
携帯が鳴り響いた
「!!」
送られてきたメールを見ると
俺は帰る足を止めある場所へと向かった
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