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二回目の朝
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次会った時はどんな言葉を掛けようか
ちゃんと目を見て話せるだろうか…
声は震えないだろうか……
いつもの僕でいられるだろうか……
この数日間ずっとそればかり考えていた。
生徒会室……
新と約束をしてここで会うのはこれで二回目だ。
一回目は告白の返事を聞く時だった。
あの時、新を待つ時間は不思議と幸せな時間でもあった。
振られると分かっていても、僕にとっては幸せな時間だった。
二回目……今、新を待つ時間は果てしなく長く感じる。
扉から中に入って来る彼はきっと怯えてる。
僕を目の前にして、何も言えなくて
僕が酷い事をした日の事を鮮明に思い出してしまうかもしれない。
謝罪をしたところで、僕がしてしまった事が消える訳でも、新の心の傷が消える訳でも無い。
それでも僕は話しがしたい。謝罪がしたい
側に居たいだなんて自分勝手な事はもう言わない。
顔も見たくないと新が言うのなら二度と新の前には現れない。
これで終わりだと何度思った事だろう…
何も終わって無かったのに…
「………っ」
窓の外を見つめると胸がギシギシと痛んだ。
あの頃と変わってない胸の感覚
新を思うと、心臓が締め付けられて悲鳴を上げてるような感覚
この切ない胸の痛みはいつまで続くのだろうか……
「…新……」
名前を呟くだけで、彼への思いが溢れてくる……
成海が言った様に、好きという感情はそう簡単に僕の中から消えてはくれなかった
「…7時…20分…」
10分後に生徒会室の扉が開く。
会える……ちゃんと話しが出来る……
時計が針を進める度に心拍数が上がっていく
成海もここへやって来る
僕は結局成海に殴られていない。
あの時は体調も悪かったから気遣ってくれたんだと思うけど……
成海は僕の事を許さないと言った
許されなくていい。それが僕の本音だからそれで構わない。
でも、成海はもう一つ
『新はお前を許してくれる』と言った。
許してほしいなんて思わない……でも…
その言葉に……縋り付いてる自分が居る
信頼を取り戻す事が出来るのなら僕はその言葉に縋り付きたい。
もう一度、新の笑顔を見る為なら僕はどんな事だってする……
「……あと…5分」
生徒会室の中をぐるりと見渡した時だった。
コンコン、とノック音が聞こえ扉がゆっくりと開いた
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