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囁かれた言葉
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「騙すって何ですか……ボクは全部先輩の為にしたのにっ」
「っ水田くん…‼︎ま…っ」
「先輩……分かってないでしょ…知らないでしょ……貴方がどれ程の人の目を惹きつけてるか…自覚ないですよね?」
「な……」
開き切った彼の瞳の中に僕が映り込む。
首輪を引き上げられ、喉が締まって苦しい……っ…
「ああ……それともワザとですか……ボクにヤキモチ妬いて欲しくてワザとみんなに優しく振舞ってるんですか」
「水田くんっ離し……」
「離すわけないでしょう‼︎‼︎」
「っ‼︎」
……キンっと彼の声が鼓膜に響く。
目の前で急に息を切らし始めた彼はまるで怒りを纏っているように見えた。
そして彼は、ギリリと掴んだ首輪を強く握る。
「ボクね……先輩の事なら何でも知ってるよ」
薄ら笑いを浮かべ、顔を近付けられる。
頬に彼の手が添えられ、ゾワリとした悪寒が走る。
……そして何より、彼が言った言葉……
「知ってるって……なに、を」
昨日の事を思い出してしまう。机の引き出しの中に入れられていた僕の写真……
嫌な汗が額から流れる。駄目だ……アレだけは知られてはいけない……
「……月島先輩の肌、ほんと綺麗ですよね」
「っ、」
水田くんは僕の上に乗り、顔を体にすり寄せてくる。
シャツの上から指先で軽く体をなぞられゾクリとした。
そして彼の指が服の隙間から中へと入ってくる。
「陶器のような……真っ白くて綺麗な肌」
「水田くんっ、お願いだからやめて……」
ドクドクと嫌な心臓の音……必死で抵抗してみても、手枷と首輪が邪魔をする。
ボタンが、ひとつ、またひとつと外されていく。
体の震えが止まらなかった。
「この綺麗な体をボクが汚してあげようと思ってたのに……」
「ぁ、み……見ない、で…っ…」
駄目だ……コレを見るな……
誰にも触れさせたくない……見られたくない……
「なんでこんなモノが先輩の体にあるんですか」
「‼︎‼︎」
シャツの前ボタンを完全に外され、上半身が露わになる。
僕の体を見つめる彼の目は、まるで汚物を見るような冷たい視線。
「っ……」
見られた……見られ、た……
僕の秘密が知られてしまった…僕と、日野だけの秘密が……
「ボク、後悔してるんです。なんでもっと早く先輩をこうしなかったのか」
バラされる。きっともう終わりだ。
「誰にも言わないで……お願い……」
「…………」
僕はいい……周りに何を言われようが、父さんに軽蔑されようが……
だけどやっとなんだ。やっと彼は一歩、新しい人生を踏み出せたんだ……
きっと僕の肩にあるモノがバレてしまえば、必然的に日野は自ら名乗り出るだろう。
そうなってしまったらせっかく日野がここまで頑張って来たものが全部水の泡になってしまう。
……日野の居場所がなくなる……
「ふふっ……良いですよ……誰にも言いません。ボクと先輩だけの秘密にしましょう?」
「…………」
今の自分の状況よりも、日野に何かあったらと考える方が怖い……辛い……
日野と離れてしまうのが、何よりも……
「その代わり、ボクと約束して下さい」
僕は、なんて臆病で微弱なんだろう……
「……っ……⁉︎」
耳元で囁かれた言葉。
逆らえば、きっと全てが終わる。
「……………わかった…」
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