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《困惑の終撮》2
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「バーカ…少ししか作ってないけど、ナベ運んでくれる?」
ちょっと照れ隠ししながら答える…
「あぁ、わかったよ」
みずきが頷いて立ち上がり、キッチンへ向かおうとした時…
テーブルの上に置いていたアキラの携帯電話が鳴りはじめる。
「電話…ルードか?」
みずきは気になって聞くが‥…
「ううん、はい…」
アキラは首を軽く横に振って携帯電話をとる。
「……」
その様子を立ったまま見守るみずき…
「…はい、はい。分かりました…」
アキラは事務的に頷いて、応答している。
「じゃ、昼から行けばいいんですね?…はい」
そう、しめくくり、電話を切るアキラ…
「……」
みずきがアキラの表情を探るように言葉を待っていると…
「今の?BOUSの先輩から、終撮の日が決まったってさ」
「…いつ?」
「12、13日の2日間。丁度、学校休みらしいから…」
終撮は2日かけて撮られる。
何気に答えるアキラ…
「…13」
日にちを聞いてポツリと呟くみずき…
1月13日は、アキラの誕生日だから…
アキラは戸籍上は4月2日生まれになっているけど、本当の誕生日は1月13日だと、以前言っていた。
だから…その日はアキラと一緒に過ごしたかったのだけど…。
アキラは普通に返答する。
「そ、相手はカズキ、みずきも知ってるだろ、年下の奴。よかったケンジ(先輩)じゃなくて…」
BOUSのケンジは、かなり強引でしつこい奴だから、最後まで関わりたくはないから…。
「早く帰れるのか?」
みずきはすぐ質問する。
「わかんねーよ、終撮なんかはじめてなんだし、おまえの方が詳しいだろ、経験者なんだから…」
そう言い返してくるアキラ…
「そうだな…」
と、言っても自分が終撮をしたのは一年以上前…
みずきは記憶を思い起こしてみる。
確か、泊まり込みで撮影して…
その後、世話になった助手たちに挨拶して…
「昼前には帰れたな…」
「ふーん、スムーズに帰れたらだけどな」
ぽそっと言うアキラにみずきは…
「…迎えに行く、その日、仕事休みだから…」
アキラの誕生日にアキラが帰ってこないなど考えられない…
一緒に居たいと思うことは、おかしいことではないはずだから…
「また…、お前が迎えに来ても、すぐ出て行けるか分からないし…」
アキラは溜息をついて言うが…
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