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第4voice. はじめてのレッスン(4)
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「前回の勝負では、よくもやってくれたな! やけど、次回は勝ってやる!! 覚悟しとけ! で、今日からのレッスンもおまえには負けへ――」
「……ふぇ?」
チラリと、目つきの悪い人と視線が合ってしまった。
その瞬間、ボクじゃなくて相手の顔色が一気に青ざめた。
「ななな、なにしとんじゃっ! 響っ!! おまえ、とうとう男にまで手ぇ出すようになったんか!?」
「ああ? 何言ってんだ、てめぇ。ばかじゃねぇの」
「バカって言うなやぁぁぁぁっ!!」
ボクには、何故この人がこんなに怒っているのかが理解できません……。
それにしても、テンションが高い人だ。
「俺様がこんなヤツに手ぇ出すわけねぇだろ。コイツはただの新人だ。この前のオーディションで、暦のお眼鏡にかなったヤツ。……おい。てめぇもボケッとしてねぇで、早く着替えろ!」
「は、はいぃぃっ」
事の成り行きを見守っていたら、音無さんに怒られてしまいました……。
とりあえず、服を着よう。
そう自分に言い聞かせて、ボクはレッスン用のTシャツを着て、下はジャージに穿き替えた。
「オレの名前は、月森 蓮(ツキモリ レン)や。事務所はおまえと同じ。出身地は関西圏。まぁ、よろしゅうな」
「は、はい! よよ、よろしくお願いします!」
「蓮相手に緊張なんかすんじゃねぇよ……」
「何やと!? もういっぺん言うてみぃっ」
「アホでバカで天然で暑苦しい蓮相手に緊張するだけ無駄だ、ばーか」
音無さんがそう言った後、ボクの目の前では音無さんと月森さんの追いかけっこが始まってしまった。
……早く、先生来ないかな……
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