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act.Ⅱ-13 お前は知らないだろうけど
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「しぇんぱい!もーいっけんいきましょ!」
お勘定をして、外に出た。
5月の夜はまだ寒い。
「はいはい。もう帰りましょうね。」
「やら!もういっけん!」
くっそ。可愛すぎるだろ。
「ほら、送ってってやるから。新橋のどこら辺?」
「あっちらへーん!」
間崎は完全に酔っぱらっているようで、適当な方向を指差してへらへら笑っている。
これはもうだめだな。
「タクシー捕まえるから、とりあえず大通り出るぞ。」
俺は間崎を引きずるように、大通りに出た。
「……しゃむい。」
タクシーを待っていると、間崎はポツリとそう言って、俺の右腕にしがみついてきた。
俺は間崎の背中に右腕をまわし、そっと引き寄せる。
すると、間崎は俺の胸に顔を埋めてきた。
これじゃ周りから、男同士が抱き締め合ってるように見えちまうだろ。
名残惜しかったが、少し離そうと間崎の肩を押そうとしたとき、間崎が笑顔で俺の方を見た。
「しぇんぱい、あったかい」
ドクンッ
心臓が跳ね、体の周りが熱くなる。
もう周りの目とか、男同士とかどうでもいい。
「好き。」
俺は間崎をギュッと抱き締めた。
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