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act.10-16
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「ありがとうございましたー!」
ラーメン屋を出た頃、時計は22時をさしていた。
「ふぅ…、お腹いっぱいだね。」
「羽純、全然食ってなかったじゃん。」
「いやいや、替え玉したから。」
「1回だけだけどな。」
「秀が食べ過ぎなんだよ。替え玉と餃子とチャーハンと杏仁豆腐なんて。」
「そうか?普通っしょ。」
秀と他愛もない話をしていると、ふと見たことのある道に出た。
ん?どこだっけ?
「あ。」
思い出した。
この道、先輩のマンションに泊まらせてもらったときに通った道だ!
てことは、先輩のマンションの前通るかもしれない。
「なに?どうした?」
「ううん、なんでもない。」
少しして、小さな交差点の信号で車がとまった。
あれ?確かこの交差点の………。
斜め後ろを振り替えるように見ると、先輩のマンションが見えた。
やっぱり!
なんだか先輩のマンションを見つけることが出来ただけで、嬉しくなる。
と、その時マンションから誰かが出てきた。
「………先輩だ!」
すごい!見れるなんて!
マンションから出てきたのは、先輩だった。
隣にお友達らしき人もいる。
「先輩?」
「秀!あのね、後ろのマンションから今、せんぱいが…………。」
えっ…。
先輩が隣の男の人の手をなかば強引に掴んだ。
そしてそのあと、先輩はその人の頭を撫でた。
どういうこと……?
何してるの?
離れてよ……
もやもや
イライラ
黒々とした感情が、俺の中を支配する。
やめて
嫌だよ……
このとき、この間の居酒屋での先輩とのやり取りを思い出した。
『その人はどんな人なんですか?』
『年下で俺より小さくて、小動物みてーだな。見てて飽きない。』
年下っぽいし……、先輩より背が低いし……、小動物みたい……。
あの人が、先輩の好きな人…………。
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