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act.Ⅲ-6 本当にお前は何も分かってない
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─── ガチャ
あ、開いた…!
開いたドアから間崎がチラッと顔を覗かせた。
「……入ってください。」
そう言うとスタスタ中に入って行ってしまう間崎。
やっぱ怒ってる…のか?
「お、お邪魔しまー…す。」
それにしても好きな人の部屋に入るなんて、緊張する。
「そこ座ってください。」
座布団が置いてあるところを指差され、静かに座った。
「…はい。」
目の前の小さな机にお茶が2つ置かれた。
「ありがとう。」
間崎も俺の正面に座った。
お互い、机を挟んでとりあえずお茶を一口飲む。
「……。」
「……。」
沈黙が続く。
やっぱり間崎、怒ってんのかな。
お茶を飲んでいるときに視線を感じて間崎の方を見るが、プイッと逸らされてしまう。
「……あのさ…、なんか怒ってる?」
俺の質問に、間崎はこっちを向いてくれた。
「いいえ、怒ってません。」
……明らかに怒ってるだろ。
「やっぱり、ドタキャンの原因って俺だったんだな。ごめん。」
間崎は、もしかしたら俺の顔を見たくなかったのかもしれない。
自分が何をしてしまったのかは分からないけど、今日はもう帰った方がよさそうだ。
「違います…。先輩が原因なんかじゃありません……。」
俯いたまま、間崎がそう言った。
「じゃあ、どうして怒ってんの?」
「それは……、…先輩が期待させるようなこと言うから……。」
ボソボソと何か言ったが、聞き取れない。
「悪い、聞こえなかった。」
そう言うと、間崎はまっすぐ俺の目を見つめた。
「好きなんです。先輩のことが。」
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