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敬意④のめり込む
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躰を交わしてしまってからは、もう、ケダモノのように会いまくった。
涼くんの柔軟な心は、受けにも攻めにも躊躇なく進んでいく。
ねえねえ。
女とするのもこんな感じ?
違う?
受けのときって妙なところでゾクゾクってくるね。
俺めっちゃはまりそうー。
何もかもが新鮮なようだった。
僕はいつの日か、オレンジの君にかれを返す前提で接していた。
だから出来るだけ、かれには攻めとして接した。
かれ自身も基本、体質は受けで、しとやかな身のこなしが妙にそそる。
このまま会っていたら、好きが強くなってしまう。
案じながら、迷いながら、僕はずるずると、涼くんと付き合い続けていた。
僕は車を買った。
俊みたいな、かっこいい車はもちろん無理だけど、中古狙いならけっこういいのが買える。
初めて車で迎えに行った日、涼くんはおおっとなって、何かやたらはしゃいでいた。
「運転教えて」
河川敷に乗り入れて、席を替わってやると、前進させたり後退させたりその場をぐるぐる回らせたりして遊んでいたが、不意に僕を見て言った。
「ここで抱いてよ」
僕はキスを仕掛けたが、それ以上する気にはなれなかった。
「涼くんは、そろそろ自分本来の場所へ戻った方がいいよ」
「どういうこと?朗さん俺に飽きた?」
ちょっと声がこわばっている。
違うよ大好きだよ。
でも君は、ほんとは『かれ』が欲しいんだろう?
回り道してる場合じゃないと思うんだ…
頭の中ではそう言ってるのに、口は全く違うことを言っている。
「言ってみただけさ。おいで」
寄り添ってきた涼くんにキスして…そして押し倒す。
リクライニングシートはこのためにある…
遅くなった。
今日は泊まらないというので寮まで送った。
降り際に軽いキス一つして、涼くんは軽やかな足取りで去ってゆく。
ルームミラーに写る涼くんの後ろ姿を見ながら車を出しかけたとき、超長身の少年が涼くんに近づくのが見えた。
少し足を引きずっている。
詰問してる感じで、涼くんの腕を掴みそうな勢いだが…掴まない。
遠慮してる?
涼くんが二言三言言い募った感じで、建屋へ入ってしまうと、超長身はただただ黙って涼くんの去った方を見送っていた。
間違いない。
かれがオレンジの君だ。
しかも。
しかもかれも…
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