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友達
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校門に着き、秋人を抱き上げたまま職員室へと向かう。
「……っう…耳が…いた、い!」
秋人は周りの声や音にびっくりして、咄嗟に自分の手で耳をおおった。
「大丈夫ですか?危ないですからちゃんと掴まっていてくださいね」
「…ん、なんか……ドキドキする、なあ」
久しぶりの外の景色にキョロキョロしたりソワソワしたりで嬉しそうだった。
コンコンっ
「失礼します。今日から此方に通うことになりました……」
かるくノックをしてから職員室に入ると、俺たちを待っていた男の教師がこっちへ歩いてきてにっこり笑った。
「あーはいはい、話は聞いてますよ!なにも心配はいりませんからなにか困ったときは言ってくださいね」
「はい、ありがとうございます!」
「秋人くんも今日からよろしくねー」
「……ふっ…あぃ…ぃ」
突然声をかけられて驚いたのか、秋人は返事かどうか微妙な声をだした。
でもその男教師……太田先生は優しく微笑みやんわりと秋人の頭を撫でてくれた。
……よかった
少しでも怪訝な顔をされたら……
安心してふぅ…と息をつくと、太田先生が俺たちを教室へと案内してくれた。
「……いまから…どこ行くのー?」
秋人は学校に行ったことがない。
今まではずっと不登校として扱われてきたから学校そのものを知らないのだ。
「今日から秋人様のご友人となる方々のところへ行くんですよ」
「お…とも…だち…?」
その言葉に秋人は目を輝かせ嬉しそうに頬を紅潮させた。
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