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秋人一筋
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夕食後秋人を部屋へ連れていく。
カチッと明かりを消してサラリと秋人の髪を撫でると、気持ちいいのかすぐに目を閉じて寝息をたてはじめた。
「……おやすみなさいませ、秋人様」
「…ん……」
そっと呟いてその場を離れる。
その後に、言われたとおり英二さんのもとへ急いだ。
コンコン…
「失礼します」
扉を開けて中へ入ると、まだ執事服姿の英二さんがニコニコと手招きをしていた。
……ワインを片手に。
「もう呑んでいるんですか?せめて着替えてからにしてくださいよ」
はぁ…とため息をつく。
「ははーっなに言ってやがる晶!!おれはずっとお前と酒を呑む日を待ってたんだぞ。ほらそこ座れ!!」
「………」
有無を言わさず向かい合わせに座らされる。
英二さんはおれの分のグラスを持ってきて赤ワインを注いでいった。そして自分の分にも注いでいった。
「……?私のほかにも誰か来るんですか?」
目の前に置いてあるグラスはおれと英二さんのほかにもう一つあった。
「おう、お前がまだガキだったころ一緒に秋人と遊んでた奴だ。ま、おまえは昔も今も秋人一筋だったから覚えてるかあやしーけどな!!だはははっ!!」
「……うるさいです」
英二さんは楽しそうに好きなだけ笑ったあとワインに口をつける。
「ま、いーや。そろそろ来ると思うから待ってろ」
コンコン…ガチャ
英二さんがそう言った瞬間扉が開いて、おどおどと一人の細身の男が顔をだした。
「お!きたきた。ほら、ここ座れ矢鳴(やな)」
……矢鳴?聞いたことあるような…
矢鳴と呼ばれた男はすこし遠慮気味にヘラッと笑っておれの隣に座った。
「え、英二さん…いきなり呼びださないで下さいよぉ」
「悪りぃ悪りぃ!…あ、こいつ晶な。覚えてるだろ?」
「…あき…ら……っあ、はい覚えてます!昔秋人坊ちゃんと遊んでましたよね」
どうやら英二さんの言うとおり、矢鳴は覚えてたらしい。ニコッと微笑みながらおれに言ってきた。
おれが困ってると、英二さんがくくくっと笑って矢鳴を見た。
「悪りぃな矢鳴。こいつ秋人一筋だからお前のこと覚えてないんだわ。自己紹介してあげて」
「…そ、そっかぁ。わかりました!
改めて、私は桜瀬矢鳴(おうせやな)と申します」
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