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愛の感想
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「改めて…私は桜瀬矢鳴(おうせやな)と申します」
キチッと執事服を身につけた桜瀬は、言い終わるとまたヘラッと笑った。
「まー話してたらそのうち思い出すだろ。ほら、今夜は秋人の学校1日目終了記念なんだしたっぷり呑むぜ!!」
「………」
またこの人は……
「もう…仕方ない人ですねぇ」
「なにを今更、もう知ってただろ?」
英二さんはにやりと笑うと、桜瀬もかるく参ったというように肩をゆらしグラスを持った。
俺も桜瀬に続きグラスに手をやり一口飲むと、すこしクセのある香りに頬が紅らんだ。
「美味しい…ですね」
「だろ?まーここに置いてあるワインは高級なもんしかねぇしな♪」
「てゆーか…あの…勝手に屋敷のものを頂いていいのでしょうか…?」
おれの隣に座ってる桜瀬が心配そうに英二さんを見る。
すると、がははと豪快に笑いヒラヒラと手を振った。
「気にすんな気にすんな。ここの屋敷にはおれら執事とメイド、まだ未成年の秋人とたまにしか帰ってこない兄貴がいるだけだ。勝手に飲んでも怒られることはねーよ」
「はぁ…」
「……まあ、たとえ何か言われても英二さんの責任ですしね。私は気にしないで頂くことにしますよ」
「…晶てめぇ…言うようになったな」
ぐだぐだとそんな話を続けながらのんびりワインを楽しんだ。
……
それから2時間後
「…それでですね、そこで眠そうにしてウトウトし始めた秋人がもう可愛くて可愛くて…」
「お、おい晶!なんだか報告がただのお前の感想になってんぞ!!酔ってんのか!?」
「かんっぺきに酔ってますねぇ…」
冷や汗をかいた英二さんと苦笑気味の桜瀬に向かって、おれは今日の秋人の愛しさについて語り続けていた。
「ふふふ、まあまあ聞いて下さいよ。その時秋人がおれの腕の中に頬を寄せてきてですね、すり寄せながら寝たんです!!もう幸せすぎて泣きそうで!!」
「あーはいはいわかったわかった。そんで?周りの奴らは秋人に害は無いか?」
「あーそうですねぇ〜…1人…金髪で……バカな…」
バカな…ふりょ…うが…
「ちょ、あきら!?こんなとこで寝んなよ頼むから!!」
「晶さん…お酒弱かったんですねぇ」
桜瀬がはははと苦笑して、英二さんがハァとため息をつく。
「あ…そうだ。秋人…1人じゃ……泣いてしまう、あき…と!」
「……おいおい、そんなフラフラじゃ転ぶぞ!」
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