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先走り
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…ッなにやってんだ!?
そう思った瞬間、もう走りだしていた。
「…っ!!こーき…!」
突然現れた俺に驚くように目を見開く秋人。俺は3年の先輩4人…中でも手をだしてはいけない連中からチョコンと階段に座る秋人を隠した。
「…んだぁ?コイツは」
赤髪で細目のヤツが口を開いておれの胸ぐらを掴む。
「……センパイこそ、コイツになにしてんスか?」
ググッとおれの胸ぐらを掴む手を掴んで睨みつけると、他の3人が俺を囲うように移動する。
「まーまー赤旗さん!こんな奴無視して行きましょうよ」
「オラ行くぞ。早く立て」
「わ、わっ……ッまって!」
赤髪の男が階段に座っている秋人の腕を掴み、無理やりどこかへ連れていこうとする。
秋人も慌てて立ち、よたよたとそいつの手を握りながら歩いた。
頭に血がのぼるのを感じる
「うおッ!?ちょ、暴れんなガキが!!」
気づいたら目の前の金髪男を殴っていて、倍返しを右頬と腹にくらった。
でも俺は秋人が嫌な目にあうのだけはどうしても嫌だ。
「離せクソが!!アイツに手ェだしたら許さねーぞ!!」
「ぐっ…!!ちょ、マジでなんなんだよコイツ!!俺らは別になんもしてねーだろが!!」
「……あぁ?」
そう言われて改めて秋人のほうを見ると、なにやら緊張気味に売店へ行き、さっきの不良の先輩達に教えてもらいながらメロンパンを買っていた。
「………なんだあれ」
しばらくの間、その光景を眺めて口を開くと、一緒にいた金髪男はすこし満足気に言ってきた。
「な、俺らはべつに悪りぃことしてねーだろ?」
……たしかにそうだ
今までの自分がすごく恥ずかしく思えてカーッと顔に熱がまわる。
「…ってことだからさぁ……もう一発殴っていいよな?な?」
「…ああ?」
たしかにおれが悪かった。…が、だからと言って3回も殴られる筋合いはない。
再度睨みつけて構えると、ゆっくり秋人が側に来てギュッと目の前のやつに抱きついた。
「…ダメっ…ぼくの友だち…痛くしな、いで…」
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