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普通と異常
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「…ダメっ…ぼくの友だち…痛くしな、いで…」
「……ッ!!?」
ギュッと唇を噛んでどこか苦しそうな秋人。抱きつかれた金髪男は、俺に向かって振りかざした拳をピタッと止めて、どうしたらいいかわからなくなっていた。
「……こーき、も…なにかワルイこと…したなら…ごめんな、さい…しないとだよ?」
クルッとこっちを向いた秋人が俺に言う。正直、こんなガラの悪い奴相手に謝りたくないし人に指図されるのは嫌いだが…
…でもまあ……
「………ゴメンナサイ…」
………秋人が言うんだったら…悪くない
目を細めながら笑い、俺の頭を撫でる秋人。
あれ、そういえば…あいつとはなんで一緒じゃねーんだ?
えーとあいつ……杉田!!
疑問に思って口を開きかけたとき、遠くの方から良くとおる低い声が響いた。
「…秋人!!」
「あっ…あきら!!へへへ」
杉田に気づいた秋人がパッと振り返り、のんきに手を振る。
杉田は小走り…っていうか結構な速さで秋人に駆けより、パタパタと制服や髪などを触った。
「ッ秋人!!なにがあったんです!?ケガは…」
「……?メロンパン…買った、よ」
心配そうな杉田に向かって、これまたキョトンとした様子でさっき買ったばかりのメロンパンを嬉しそうに見せた。
その瞬間、杉田は固まりしばらくしてぎゅうぅ…っと抱きしめた。
「……うおーい、帰ってこーい」
目の前でされる非日常な光景にため息を吐くと、秋人から離れた杉田がギロッと睨んできた。
「…なんでしょうか。何があったかは知りませんが、秋人の『初めて体験シリーズ』の写真とメモの邪魔をしたら許しませんからね」
「………あっそ」
初めてって……
呆然と、杉田がメロンパンをかじる秋人を撮っている姿を眺める。
なんかこいつらって……普通じゃねぇ
でも、なんだろうなぁ……
こいつらが居ると思うと、今まで退屈だった学校がすこし楽しみに思えんだ。
写真を撮り終えた杉田が、秋人を撫でる様子を見ながらそう思った。
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