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確認しないと…
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翌日目が覚めると、まだあきらの姿は無く、うすい紫のカーテンの隙間から朝の光がもれていた。
「………」
ペタペタと窓へ近づき、何気なく外を見る。
遠くのほうで鳥の鳴き声や、ザザッと庭の木の揺れる音を聞いていると、今自分は『耳で何かを聴いてる』と分かる。
いつも1人で無音な部屋に居たからか、時々『音』がなんなのか分からなくなる時がある。その度に窓にかけより耳をすませた。
……安心する…
しばらくそのまま動かないで外を眺めていると、コンコンっと音がして、学生服姿のあきらが入ってきた。
「おはようございます、秋人様。なにを…見ていたんですか?」
そう不思議そうに聞いて、ゆっくりと僕のほうへ歩いてくる。
「……かく…にん」
「確認…?」
「……きょ…も、きこえ…た」
「……??」
もっと何のことかわからなくて首をかしげるあきら。
「…おとは………ときど、き…ぼく……を、おいて…いくから……」
あきらから窓の外へ視線を戻し、そう言うと、なんだか心が冷たくなった気がした。
おかしいな…
毎日してたことを…思ったことを口にしただけなのに……
なんだかすごく…すごく寂しい……
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