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その感情の答えは…
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お昼休みに幸輝を呼んだ。
時々くる、この感じ…
自分がここに存在してるってことを忘れるんだ。
ちゃんと地に足をついて歩いていても、誰かに触れていても、なんでかな……
その瞳に僕を写して、こっちを見てくれないと、まるで自分が消えてるみたいで……
不安になるんだ
「……ッたく。わざわざそんなん聞くために俺を呼んだのかよ」
「……ッツ!!」
幸輝にそう言われ、反射的に体が強張る。その乱暴な言い方に少なからず恐怖心があったからだろう。
「ごめ…んなさ、い」
無意識にガタガタと震える。
そんな僕のすぐ目の前まで来た幸輝は、真っ直ぐにぼくを見て言い放った。
「いいか秋人!俺にはちゃんと秋人のこと見えてるし、こうして話すことも触れることもできる!!
……だから、んな不安そうな顔すんな。」
あ……
なんだろう、この感じ…
「…ッ!?お、おい秋人?泣くなって…俺別に怒ってねぇぞ?」
「…っう……ぇ?な…にコレ」
ポタポタと頬を伝う雫。
その慣れない水の感触に動揺を隠せないでいると、トントンと僕の後ろから晶がハンカチで拭ってくれた。
「ヘン……ぼくヘン。なんで……な、みだが…でるんだろう」
わかんない…
わかんないよ……
でもなんでか今は……幸輝に触れたい。
「こう、き……」
幸輝に向かって両手を左右に広げる。
でも、幸輝は頭にはてなマークを飛ばして首を傾げているだけだった。
「何してる?早く抱き上げろ」
いつまでも理解しない幸輝にしびれを切らし、晶がそう冷たく言う。
「…っ!?は!?え、ちょ……秋人を?俺が?なんで!?」
動揺を隠せないでいる幸輝にゆっくり腕を伸ばし、首にまわして、晶から幸輝へと移った。
そのまま首筋に顔を埋めて寄りかかる体制になると、少しして背中にぎこちない温もりを感じた。
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