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人は見かけによらないね
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夜の7時をまわり、外も暗くなってきた。
そろそろ帰らないといけない。
「はーい杉田くん伊織くん秋人くん!夜ご飯出来たわよ〜!!」
「え…!?」
「本当か!!感謝する幸輝の母!」
俺が立とうとしたとき、背後から甲高い声が聞こえてきた。吉田母だ。
どうやら俺たち3人分も含めた夕食と、寿司の出前を取ったようで、すごく帰りづらい雰囲気になってしまった。
伊織は硬直してる俺を無視して、喜びながら吉田母に抱きついていた。
……そうきたか
はぁ…と1人息を吐いてると、クイクイっとゆるく袖を引っ張られた。
「…たべ…て、いい?」
………!!?!
……ッツ…………!!!!
……
「………え、ええ。頂き…ましょうか」
長い沈黙のあとそう言うと、嬉しそうに少し頬をあげた秋人。
だんだん表情豊かになってくる秋人を見てると、こっちまで嬉しくなってくる。
「なにニヤついてんだてめぇ。犯罪臭がすんぞ……おえぇ」
「………」
だが、この+Aのおかげで全てが台無しになる。
顔を歪めながら舌を出してるこいつを睨むが、他の奴らとは違い、効果は期待されない。
「はぁ……もう返す言葉もないです」
「…んだよ、ニヤついてたのはホントだぜ?秋人のこと、見てただろ」
「別にお前には関係ない。俺が笑っていようと誰を見ていようと勝手だろ」
肩に手を回してくる吉田の手を払う。
「おい怒んなよ……。てかずっと気になってたんだけどさぁ」
「……?」
妙に神妙な顔になって口を濁す。
「お前らの関係って……な」
「ただまーー!!あれ、誰か来てんの?」
吉田が何か言いかけた辺りで突然誰かがリビングへ入ってきて、一瞬静まり返った。
黒髪に幼さがのこる顔立ち。大きな瞳に黒縁メガネ。そのスーツに身を包んだ身長低めの男に視線が集まっていた。
「おー早かったじゃん。お帰り親父」
「…!!?!?」
その吉田の(俺的に)衝撃的な発言に、俺は本日二度目の硬直状態に陥っていた。
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