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お泊まり会!
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俺がぎこちなくそう言うと、吉田父は一瞬目を見開いて、その後に嬉しそうに笑った。
「はははっありがとねぇ」
「……ッわ!!」
クシャッと頭を撫でられて頭が真っ白になる。
俺は親はいたが、幼い頃に捨てられ孤児院で育ってきた。その後に黒田家に拾われたのだ。
だから……だろうか
このじんわり広がる感情の答えが見つからない……
吉田父の手が離れたところで、吉田が風呂からあがってきた。
キラキラと金髪に染めた髪が水滴で光ってみえて、思わず目を細めてしまう。
「はあ〜さっぱりしたわ。ん、お前らも入ってくのか?」
少し長めの髪を拭きながら、こっちに近づいてきた。
「今日は3人泊まってくことになったよ!良かったね!!お泊まり会だねえ!!」
ニコニコ笑顔の父にそう言われた瞬間、吉田が固まったのがわかった。
「まじ…?」
「……いけないですか?」
そう遠慮気味にきくと、思ってた以上にあっさり了承してくれて気が抜けてしまう。
「………あきら…あきら」
吉田父の間から抜け出して、俺の側まできていた秋人に呼ばれる。そしてふわっと抱き上げる。
「…では、申し訳ありませんが浴室をお借りしてもよろしいですか?」
「おーいいぜ。…ってか2人で入んのか!?」
「?…なにか問題でも?」
「いや…まあ、べつにいいけど」
なんなんだ、いきなり大きな声をだしたと思ったら急に仏頂面になったり……はあ
「あーきら、俺はちっと家に戻るわ。ついでに泊まることは俺様が伝えといてやる」
「ちょ、伊織様…!!まさかお一人で帰るおつもりですか!?せめて今から迎えの者をお呼び致します!!」
夜遅いなか、1人でなんてとんでもない。急いで家の者に連絡を取ろうとしていたら、伊織に止められた。
「いや大丈夫だ。外に迎えの者を呼んでるからな。幸輝、今日はとても楽しかったぞ!!」
「おーまたな!いおり!!」
「秋人、あんまり迷惑かけないよーにするんだぞ?」
「…う、あい……おに、さま」
ニコッと笑って伊織は吉田の家をあとにした。相変わらず、嵐のような方だな。
俺も、秋人と共に浴室へと移動した。
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