アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ベッドか布団
-
……遅い
あいつらいつまで風呂に入ってんだ?
絶対逆上せてるだろ。だってあと少しで1時間になる。
俺が自室で二人を待ってると、ガチャっと扉が開いて風呂上がりの二人が入ってきた。
「お風呂、どうもありがとうございました」
「きもち、よかった」
二人とも髪をちゃんと乾かしてきたみたいで濡れてなかった。
それにしても……
「おまえ、ちょっと頬赤いけど…気のせいか?」
不自然に右だけほんのり赤いのが気になって聞くと、顔色一つ変えずにしれっと風呂上がりだからと言われた。
こいつのこの飄々と人をかわすとこが好きになれねぇんだよなぁ。絶対俺のこと下に見てそうだし!!
じとっと杉田を睨んでると、ふいっと視線を逸らされた。
「…?」
いつもならここで悪態を突かれるんだけどそれがなく、変に思ってしまう。
いや、まあなんも言ってこないほうが俺としては良いが……
「お前らはそこに布団敷いてるからそこで寝ろよー。あ、悪いけど俺いびきすげぇから。寝れなくても文句言うなよ」
「……!?!」
俺がそう言い放ちベッドに横になると、杉田が震えながら信じられないといったように声を出した。
「おま、秋人に地面で寝ろと…言ってるのか?」
「はあ?仕方ねぇじゃん。ベッド一つしかねんだから」
「だったらその一つしかないベッドを秋人に譲ったらどうだ」
こっの……やろう
「ここは俺の家で俺の部屋で俺のベッドだ!客人は布団で充分だろ!!!」
「ぐ……それでも、秋人を床で寝かせるなんて…おれには…」
珍しく口ごもる杉田。
それでもまだ納得できないのか、一生懸命なにかを考えてるようだ。
でも、秋人はまんざら嫌じゃなさそうでふわふわと両手で布団を触っていた。
「ふわふわ……ぼく、の家と…ちがう?」
ぽつり、ぽつりとそう首を傾げながら秋人は言った。秋人の家はベッドなんだろうな。
杉田もとうとう諦めたみたいで、大人しく布団に入った。
「おほし…さま。ここ、たくさん」
「星?」
秋人は俺の部屋の窓から空をみていて、それだけで絵になっていた。
秋人は白いから、夜がよく映える。
しばらくの間星を見たあとに秋人も布団の中に入ったので俺も電気を消して横になった。
すると秋人がいきなり怯えたようにうめいた。
「ッううぅ…あぅ、あ、あああ!!」
「!!どうした!?」
いきなりのことでガバッとベッドから起き上がる。真っ暗でなにも見えなかったけど、どうやら杉田が秋人をなだめてるようでハァハァという息遣いが聞こえた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
53 / 76