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衝撃
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いつもおれの中にあるのは
あなたの存在だけ。
チュンチュンと鳥の鳴き声がきこえてきて、俺は自然と意識を現実へともどした。
「ん……」
目を開けて最初に感じたのは左肩にかかってる重みだった。
おれの主人である秋人がすやすやと眠っていて、しかもおれに抱きつく感じの体制で寝ていた。
……あきと、あきと
愛しい。寝顔も幼いときのままだ
秋人が起きないようにゴロンと向かい合わせになりおれも秋人を抱き寄せる形になった。
すりすりとおれの胸に顔を寄せてきて可愛い
でも、ベッドで悠々と眠っていた不良が起きたことで、秋人を撫でようとした手がピタッと静止した。
しまった、つい反射で寝てるフリをしてしまった…
別に起きていたって良かっただろ。バカか俺
でも一回狸寝入りをしてしまったら中々起きるタイミングを掴めない。起きるとき不自然な感じになってしまうかもしれなくて、そのまま目を閉じ続けた。
すると、さっきまでの温もりが遠くなって消えてしまった。驚いて一瞬目を開けると、吉田がぎゅうっと秋人を抱きしめていた。
え、あ、……え?
突然のことで目が離せない。
吉田は優しく秋人の頭を撫でていて、その度に胸がざわざわした。
秋人に触れるな。優しくするな。
秋人を必要以上に求めないで……
そんなに優しくしたら…秋人が俺から離れていってしまう……
でも、秋人がそれを望むなら……
喜ぶなら、幸せになるのなら、
いやだ。
無理だ。秋人が他の奴と一緒にいるのを想像しただけで……頭が痛くなる
俺だけでいい。
秋人の世界にいるのは俺だけで……
そう思ったとき、吉田と秋人の距離がゼロになった。
ピタッとくっつく二人。
…ああ、悲しい
秋人を俺で縛り付けるなんて……出来るわけないのに…
頭をいきなりガンッと叩かれたような衝撃にかられながら俺は再度目を閉じた。
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