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楽しい朝と
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ぼくの朝は、いつも静かで……
のんびりと時間だけが過ぎていく。
あきらは朝ごはんを食べる僕を、斜め後ろで静かに見守ってくれる。その時間がなぜだか安心できてすごく居心地がいい。
だけど、今日の朝はすこし違うみたい…?
「朝食まで準備していただいて…ありがとうございます」
「いいのいいの。いっぱい寝ときなさい!!」
「てか、なんで今日こんな豪華な感じなんだよ!!品数がいつもとちげえ!!!」
「あはは、楽しいなあ」
こーきの家族…
1人でぼんやり4人を眺めてると、不思議そうにこーきが顔を覗き込んできた。
「……っ!!」
いきなりぼくの視界にこーきが大きく写ってびっくりしてしまった。
「おーい。なに、まだ寝ぼけてんのか?」
「ち、がう。……なん、か…こころが、ぽか…ぽか。でも、からから…」
「ん?なんか日本語へんだぞ秋人」
ぎゅうっと胸あたりを掴む。
こーきの家族を見てると、あったかくなる。
でも同時に……こころがひどく冷める。
鼻のあたりが痛くなるほどにーーー…
「…っう、あ」
ぽたぽたと熱いものが瞳から溢れる。
それと同時にぼくの視界は暗くなり、後ろからあきらの声がした。
「秋人……秋人が羨ましがる必要はない。全てはあの人のせいなんだから」
あの人……お祖母様
「だから……あなたが泣くことない」
今ぼく…泣いてるんだ……
あきらは周りに気づかれないように囁いて、何事もなかったかのようにこーきの家族に笑いかけた。
あきらの手が解けたあとは、自然と涙が引いていて、もうさっきまでの感情は残っていなかった。
……でも、今度はこころがドキドキ…
……?…??
さっきあきらの手が当たった目元に手を当てる。すると、向かいの席に座ったあきらと目が合ってニコッと微笑みかけられる。
……っ
なに、なんだ?この感じ…
……ひどく、おちつかない
みんなでご飯を食べてるなか、1人、首を傾げた。
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